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かわら版46号

記事タイトル一覧

第46号 令和2年6月号

大江戸つくどよろず診療所かわら版 第46号

第46号

令和2年6月号
*掲載の写真はご本人の了承を得ております。



気になる病気にがぶり寄り 第19回

脂肪肝 本当は怖い肝臓の病気





消化器内科部長 藤江 肇



 脂肪肝とは、肝臓内に中性脂肪が正常よりも多く蓄積した状態の肝臓を指します。健康診査での最も頻度の高い異常所見は肝障害であり、脂肪肝は受診者の3割にみられます。男性では中年層に多く、女性では年齢上昇とともに増加するのが特徴です。
 脂肪肝の原因は様々ですが、アルコール性と非アルコール性とに大別されます。
 アルコール性脂肪肝は、1日の飲酒量がエタノール換算75mL以上の常習飲酒家にみられる脂肪肝であり、この酒量は3合の日本酒、中瓶3本のビール、または300mLの焼酎(25度)に相当します。つまり飲み過ぎが原因です。
 これに対して1日飲酒量が日本酒換算1合以下の場合、非アルコール性脂肪肝とします。原因は様々で、最も多いのは摂取カロリー過剰に伴うもの(過栄養性)、つまり食べ過ぎが原因です。

性別・年齢グラフ



 しかしながらアルコールに対する肝臓の感受性は個体差・性差が大きく、上記の酒量は一つの目安にすぎません。実際には多飲と過食の双方の要因を備える、つまり、そこそこ飲んで、少し太っている人が大多数を占めます。私達は問診、身体計測値、そして検査所見から総合的に成因を判断しています。
 アルコール性脂肪肝は進行すると肝硬変に至りますので、大幅な節酒または禁酒が必要です。

イラスト



 これに対して、非アルコール性脂肪肝は動脈硬化症に基づく心血管系疾患(心筋梗塞・脳卒中など)を発症する危険群と従来から認識されてきました。この意味するところは、内臓肥満(腹部肥満)、高血糖、脂質異常、そして高血圧で定義されるメタボリックシンドロームの、肝臓における表現型が過栄養性脂肪肝であるということです。
 さらに近年では、非飲酒家の脂肪肝でも肝硬変症に進行する症例のあること(非アルコール性脂肪肝炎:NAFLD)、肝癌の危険度が高いこと、そして肝癌以外の癌の危険度も2ないし4倍と高いことが問題になっています。
 脂肪肝を指摘された場合、その成因は何であるのか、そして肝線維化が存在するのか(肝硬変に至る途中であるのか)を診断し、その成因を改善させることが必要です。

イラスト



 脂肪肝の診断は画像検査、通常は超音波(エコー)検査が行われます。CT検査やMRI検査を行った際に指摘されることもあります。
 さらに、脂肪肝炎の診断のためには、アルコール性、非アルコール性の如何に関らず、肝生検を行う必要があります。
 脂肪肝の治療は原因の是正です。アルコール性ならば大幅な節酒または禁酒、過栄養性ならば食事・運動療法による体重(内臓脂肪)減量を行います。
 食事療法は、脂肪の原料となる脂質と炭水化物を減らすこと、夕刻で過食しないこと、一回の食事量を減らすことなどが重要です。

イラスト イラスト



 運動療法の目的は消費カロリーの増大だけでなく、骨格筋量を増やして基礎代謝量を増加させる、つまり「燃費の悪い身体」「太りにくい身体」に変えることにあります。
 残念ながら有効な薬剤は未だ開発されていません。
 以上をまとめると、脂肪肝の治療は生活習慣の改善が肝要です。個々の状況に応じて、日々の地道な実践を行い、徐々に改善させることができます。

(消化器内科 藤江 肇)

当院のウリ チーム医療 第4回

認知症ケア回診

集合写真



 今回は、去年新たに開設された認知症ケアチームをご紹介します。チームの一員である、ソーシャルワーカーの矢野明子さんにお話を伺いました。

認知症を合併した患者さまの入院が増えています

 日本はすでに超高齢者社会を迎えています。2019年の内閣府白書では65歳以上の人口は総人口の28%に達しており、団塊の世代が75歳になる2025年には人口の3人に1人が65歳以上になる見込みです。また、そのうちの20%が認知症になるという推計があります。

「入院したら急に認知症が進んだ!?」

 物忘れがあっても、自宅や施設で穏やかに生活されていたご家族が、入院した途端に落ち着かなくなり、夜も眠らなくなってしまった…といった経験をお持ちの方はいませんか?
 物忘れなどの認知機能の低下があると、けがや病気の苦痛、入院による急な生活環境の変化によって混乱を来しやすいといわれています。

本来の治療ができない

 そのような混乱があると、入院の目的であるけがや病気の治療がうまくいかないことが少なくありません。骨折による入院なのに安静にしていられなかったり、肺炎の治療のための入院なのに、抗生剤の点滴の管をいやがって抜いてしまったりすることが度々みられます。
 そんな状態が続くと、必要な治療が行うことができず、体の状態はさらに悪くなってしまいます。患者さまにとっては不自由な長期入院を余儀なくされます。そのストレスから、余計に生活リズムが乱れて体力を消耗し、元の生活に戻ることが難しくなってしまうのです。

当院の取り組み

 そこで当院では、少しでも患者さまの苦痛を減らし、治療を円滑に進めることを目的として、2019年6月に認知症ケアチームを立ち上げました。認知症の看護について、専門的な知識を身につけた「認知症看護認定看護師」の藤田さんを中心に、精神科医師、脳神経内科医師、栄養士、ソーシャルワーカーがチームとなって、定期的に全ての病棟を回診しています。

集合写真



 患者さまのお困りは、病気そのものの苦痛はもちろんですが、その他に不自由で慣れない環境で過ごす不安、いつもと違う食事、経済的問題など多岐にわたります。チームのメンバーはそれぞれの専門分野を生かして、患者さまのお困りにあわせた看護や治療について検討し、病棟のスタッフにアドバイスを行っています。
 立ち上げたばかりのチームで、まだまだ試行錯誤の中ですが、入院された患者さまの治療がスムーズに進んで、早く元の生活に戻れるように取り組んでいきたいと思っています。

(文責 精神科 高橋杏子)

『オレンジチーム(仮)』が発足しました

 日本に押し寄せている少子高齢化の波は、病院にとっても避けて通れない問題です。
 近年増加している高齢者のひとり暮らし世帯も約680万世帯(37%)に達すると見込まれており、高齢者がひとりで病院を訪れる機会も増えると予想されます。そうなると病院としては、今まで以上にわかりやすく、より親切な対応が必要となってきます。
 そこでこの度、関根病院長、野月看護部長らの発声で、「高齢者や弱者に寄り沿うやさしい病院づくり」を目指し、『オレンジチーム(仮)』が発足しました。
 チームは現在、いろんな意味でのバリアフリー化を目指した取り組みをしています。
 たとえば、当院は昭和62年から平成12年までの間、「本館」、「別館」、「外来棟」と3つの建物を、順次取り壊しながら建て替えていった結果、順路や表記がまちまちで、診療の現場でも、途中で迷っておられる患者さまをご案内することが多くみられます。

オレンジチーム



 そこで、誰にでもわかりやすく、患者さま目線での案内表記に改善するため、先日手始めに、正面玄関、受付、外来、など病院中を一通り歩き、気になる点をチェックしました。(写真)
 その他にも専門家の意見を聞いて勉強し、アイデアを出し合いながら、今後いろいろと工夫をしていく予定です。
 案内表記については、予算や工事の関係もあり、完成時期はまだわかりませんが、よりよい病院にするため日々努力していきますので、乞うご期待ください!

(歯・口外科 大庭祥子)

新宿メディカルセンターを支える仕事人のリレーコラム 第15回

言語聴覚士

言語聴覚士

嚥下訓練の様子



 言語聴覚士という仕事をご存じですか。
 当院には現在、3名の言語聴覚士が在籍しています。当院の言語聴覚士はリハビリテーション室の理学療法士、作業療法士とともにリハビリを実施しています。言語聴覚士は主にコミュニケーションの問題、飲み込みの問題に関わっています。
 ことばによるコミュニケーションの問題は失語症、聴覚障害、ことばの発達の遅れ、声や発音の障害など多岐に渡り、小児から高齢者まで幅広い年代に見られます。飲み込みの問題(嚥下障害)は病気や加齢によって生じ、食べることが難しくなってきます。
 言語聴覚士はこのような問題の本質や発現メカニズムを明らかにし、対処法を見出すために検査・評価を実施し、必要に応じて練習、指導、助言、その他の援助を行います。
 当院では主に脳血管障害、がん、廃用症候群認知機能低下による失語症、構音障害、嚥下障害、の方に対して、医師・歯科医師・看護師・理学療法士・作業療法士・ソーシャルワーカー・管理栄養士などと連携し、コミュニケーションが円滑になるように、食べ物が食べられるようにチームの一員として支援を行っています。
 突然、周囲の人とコミュニケーションが図りにくくなったときのことを想像してみてください!
 食べ物が食べられなくなってしまったことを想像してみてください!

言語聴覚士

言語訓練の様子



 コミュニケーションを図ることも、食べることも、生きていく上でとても大切な要素となっています。そこに問題がおこることが患者さまやご家族にとって、生きる楽しみを減らすこととなる可能性もあります。
 私達言語聴覚士は、患者さんの問題を理解し、その人に合った解決方法を見つけていきます。そのためには、患者さまの言動や様子の細かい変化にも気付けるように心がけています。
 リハビリは、一度やればすぐに成果が出てくるわけではありません。週単位、月単位、長い場合は年単位で経過を見ていくこともあります。そのために私達と関わる時間が患者さまにとって少しでも心地よい時間になることにも心がけています。

(言語聴覚士 小森 さなえ)

当院は『地域医療支援病院』になりました。

〜「地域が創る病院、病院が創る地域」へ向けて〜

病院長 関根 信夫

病院長 関根 信夫



 当院は昭和27年の開設以来、東京厚生年金病院として長らく、地域の方々をはじめ広く国民の皆様方の病気の治療と健康維持に力を尽くしてまいりました。平成26年4月からは独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO、ジェイコー)の病院として、より一層地域医療に貢献すべく基幹病院としての責務を果たすことが求められています。そして、令和の幕開けとなった2019年、8月28日をもって当院は東京都知事より『地域医療支援病院』の承認を受けました。地域の医療機関の先生方との堅固な連携のもと、それぞれの役割を尊重しながら、当院が持つ診療・病床機能を存分に発揮していく所存です。
 地域医療支援病院となっての新たな抱負として、私たちは「地域が創る病院、病院が創る地域」を掲げていきたいと考えています。住民の皆様方、そして医療機関の先生方のニーズにしっかりと応えることで、地域に求められ愛される病院となること、そして警察や消防などと同様に地域の安心・安全の基盤を支え、良質な医療の提供を通じて、住民一人ひとりの生活を尊重しつつ幸せな地域社会の実現に貢献することを当院の使命といたします。そのために、地域医療機関、行政機関との連携はもちろんのこと、住民の皆様との触れ合いを大切にしながら病院の役目を果たしていきたいと思います。

医事課よりお知らせ

 地域医療支援病院では、地域の診療所と病院との役割を分担し、かつ連携を強化することで、従来のような「3時間待って3分診療」など大病院につきもののご不便を回避し、病院が有する診療・病床機能を存分に発揮し、専門的な検査や入院治療、手術、救急医療に力を尽くすため、病状が安定したら「かかりつけ医」の先生方をご紹介させていただきます。また再度専門的な検査や診療が必要となった際には、救急診療も含め、しっかりと対応いたします。
 このように「かかりつけ医」と当院医師との連携による「二人主治医制」の推進に力を入れてまいります。
 厚生労働省が進めている病院と診療所の「機能分担」とは、普段の体調管理、初期の病気治療及び相談は「かかりつけ医」が行ない、 「かかりつけ医」の判断により専門的な検査や入院が必要な治療は病院が行うという、病状に応じた役割分担のことです。「かかりつけ医」の紹介状なしで受診する場合は、診療費とは別に国が定める初診時選定療養費5000円(税別)をお支払いいただくことになりますので、当院受診の際はできるだけ「かかりつけ医」の紹介状をお持ちください。

気になる病気にがぶり寄り 第19回

腹部エコー検査でわかる 脂肪肝

腹部エコー



 皆超音波(エコー)とは高い周波数成分を持った波、平たくいうとすごく高い音の事です。「周波数」(単位:Hzヘルツ)というのは音の高低を示しており、人が聞き取れる周波数の範囲は一般的に20Hz~2万Hz程度までといわれています。
 超音波検査は400万Hz以上の音を利用して検査をしています。実際の検査では、超音波を効率よく体内に入射するため、体表にゼリーを塗って行い、入射し跳ね返ってきた超音波成分を解析し画像を作り出します。     
 痛みや副作用がないため、繰り返し検査できるのは超音波検査の利点です。しかし、肺や消化管などのガスを含む臓器や肥満の方では超音波が吸収され、骨の様に硬いものにあたると反射され、描出が困難になるといった欠点もあります。

腹部エコー



 今回は肝臓の、特に「脂肪肝」について超音波検査でどのように描出されるかをご紹介します。肝臓は腹部最大の臓器で右上腹部からみぞおちにかけて存在しています。前述した障害物の存在により、様々な角度から観察していきます。検査の際に「息を吸って」「吐いて止めて」と声を掛けるのは、超音波の通り道を作って観察しやすくするためです。
 正常な肝臓の画像(写真①)を提示します。肝臓は均一に見えており、右下に肝臓よりやや黒っぽい腎臓が見えています。
 では、脂肪肝ではどう見えるでしょうか。(写真②)中性脂肪が溜まった事で、肝臓が明るくなっており、肝臓と腎臓の白と黒の差が目立つようになっています。このように脂肪肝診断は超音波の特性を利用して判断されます。

(生理機能検査室 林 美紗子)

看護専門学校だより

〜年金魂〜看護学校60年の伝統

伝統



 皆様こんにちは。東京新宿メディカルセンター附属看護専門学校です。
 看護学校は昨年60周年を迎え、卒業生はのべ1646名となりました。その多くは附属病院である東京新宿メディカルセンターに就職しており、新人からベテランまで多くの卒業生が働いております。
 また活躍の場は病院だけでなく、訪問看護や、行政に関わっている方、執筆活動をしている方など多岐にわたります。昨年には長年の看護界への貢献を認められ、瑞宝章という勲章を受けられた方もおりました。
 当校は昭和33年、『厚生年金病院東京高等看護学院』として開校しました。当時の学生数はわずか9名でした。初めて親元を離れた青春真っ盛りの乙女達は、将来の夢を語り合いながら、看護とは何かを真剣に学んでいたとのことでした。
 それから60年の間に、病院の建物や名称変更などを経て、現在の揚場町に独立した建物となりました。今では当然ですが、男子学生や社会人の入学制度も始まり、1クラス40名中の約8~9割が社会人経験者という構図が当校の特徴ともいえます。 
 世代の異なる学生が共に看護を学ぶうちに、卒業する頃には、患者様への向き合い方や、ケアをするうえで大切にしている、基準とでもいう「雰囲気」「信念」が似てくるようになります。それもそのはず、当校の学生は、東京新宿メディカルセンターで実習をしており、そこで看護を語り、見せ、教えている看護師の多くが卒業生だからです。
 私も卒業生の一人であり、かつては看護師として、今では教員として学生と日々向き合い、看護について教え学びあっています。 
 時代は変われど、共に学び同じ病院で看護師として働くうちに、かつての病院名である「年金さん」や「年金っ子」、「年金魂」と呼ばれる何かが身についています。そこには人に対する思いやりから生まれる伝統があると個人的には思っています。
 60年の歴史の中で形作られた「年金魂」なる当校の看護理念を今後も大切な伝統として引き継ぎたいと思います。

(看護学校 佐野 なつめ)

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