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大江戸つくどよろず診療所かわら版 第29号

記事タイトル一覧 | 気になる病気にがぶり寄りシリーズ | 災害支援 | 仕事人のリレーコラム | お薬ミニコラム

記事タイトル一覧


第29号 平成23年10月号

  • 気になる病気にがぶり寄りシリーズ 第3回
    「糖尿病最新事情」
  • 災害支援
    「厚生年金病院救護チームが被災地に派遣される」
  • ねんきん病院を支える仕事人のリレーコラム 2
    「臨床工学技士」
  • お薬ミニコラム 1
    「薬手帳の活用法!」


  • kawaraban201110
    第29号
    平成23年10月号

    気になる病気にがぶり寄りシリーズ 第3回


    「糖尿病最新事情」

    ■糖尿病はなぜ増えているのか〜糖尿病は人間の宿命?(図1)



    国民のほぼ5人にひとりが糖尿病もしくは予備軍とされる今日、糖尿病患者数は日本のみならず全世界で増加の一途をたどり、2025年には地球上に約3億人の糖尿病患者が存在すると予測されています。先進諸国はもちろんのこと、とりわけアフリカ、南米などの開発途上国、そしてアジアでは中国・インドでの著しい増加が予想されます。
    これほどまでに多くの人々が糖尿病という病気になってしまうことの背景には、人間に本来備わっている自然の性質が、ともすると容易に糖尿病を生じる危険性を秘めているという、いわば「宿命」とも言うべき関わりがあります。それについて、まず解説してみたいと思います。
    そもそも糖尿病、高血圧、高脂血症(最近では脂質異常症と呼びます)、あるいはそれらが集積したメタボリックシンドローム(“メタボ”)などの生活習慣病は、一言で言えば、生まれながらにして持っている体質(遺伝素因)と、生まれてからの実際の生活習慣が合っていない(ミスマッチ)によって引き起こされる病気と言うことができます。人類誕生以来、長い歴史を生き延びてきた祖先からの遺産が、私たちの体にプログラム(遺伝子)として組み込まれているのです。そのような遺伝子は、たとえ環境が変わったからといってすぐに変化するようなものではありません。一方、私たちを取り巻く生活環境は短期間のうちにも激変しうるものです。
    体質と生活習慣のミスマッチによって糖尿病が増える例は世界中に数多くあります。米国アリゾナ州の原住民であるピマ・インディアンはファーストフードなどアメリカの食生活によって9割が肥満、なんと2人にひとりが糖尿病です。オーストラリアの原住民が都会に働きに出て糖尿病になった時、ある名医の治療によって、たちどころに糖尿病が治ってしまいました。その治療とは「故郷に帰りなさい(もとの食生活に戻りなさい)」という一言のアドバイスだけだったとか…ちなみに世界一糖尿病の率が高い国は、ナウル共和国という太平洋の小さな島国で、国民の3人にひとりが糖尿病。この島では、豊富なリン鉱石を採掘して世界中に輸出することで、とても裕福になったのはいいのですが、国民があまり働かなくなり(労働・納税の義務なし?!)8割が肥満になってしまいました。それに続いて糖尿病ランキングの上位を占めているのが、実は中東アラブ諸国です(オイルマネーの結果?)。
    さて、私たち日本人も例外ではありません。毎シーズン、我らがイチロー選手(マリナーズ)の活躍に沸く米国シアトル市で、今から約30年前、興味深い研究がなされました。同地はもともと日系人が多く居住していますが、シアトル在住日系人の糖尿病についてワシントン大学のW.F.フジモト教授らが詳細な調査を行ったのです。いわば「日本人がアメリカに住んだらどのくらいが糖尿病になるか?」という問いです。その結果、当時の日系人男性の20%、女性の16%が糖尿病でした。同じ時期、日本では男性5%、女性4%が糖尿病とされていましたので、ちょうど米国に住むと4倍糖尿病になりやすい、ということになります。さらに言えば、シアトルに住む日系人は、同じシアトルに住む米国人よりも2倍多く糖尿病になっていました。
    ここで何が起っていたかというと、実は”メタボ”だったのです。糖尿病の人たちのお腹をCTで調べると内臓脂肪が多く、血圧や中性脂肪も高い傾向にありました。内臓脂肪はインスリンの効きを悪くし(「インスリン抵抗性」と言います)糖尿病や高血圧・高脂血症など諸悪の根源となるのです。特に日本人・アジア人は内臓脂肪がたまりやすい人種であるとされています。例えば、同じ体重のアジア人と欧米人とを比べてみると、内臓脂肪はアジア人の方が多くたまっています。このような内臓脂肪のたまりやすさは「倹約の遺伝子」と呼ばれる、食べた栄養を体脂肪として貯めこむ遺伝素因によるとされています。おそらく古代、わずかな食物で生き延びるためには、効率よく栄養を貯めるしくみが必要だったのでしょう。
    もうひとつの問題はインスリンを出す能力(インスリン分泌能)です。日本人のインスリン分泌能は欧米人の約半分ほどしかないとされています。もともと体格が小柄で、インスリンが効きやすい日本人は、それほどインスリンを出す必要がなかったため、インスリン分泌能が弱いのかもしれません。
    このように内臓脂肪がたまりやすく(メタボになりやすい⇒インスリンが効きにくくなる)、インスリンがあまり出せない日本人、これでは糖尿病になりやすいのも当然です。同じ生活をしても、そしてはるかに欧米人の方が肥満度が高いのに、ちょっとした体重増加や運動不足によって糖尿病になりやすい日本人には、こんな人種的特徴があるのです。
    「倹約の遺伝子」の他、最近では食欲に関係した遺伝子も色々と知られてきており、中には食欲を抑えるはたらきをする遺伝子の異常が見つかったりしています。「私って、太りやすいんです(倹約の遺伝子)」「どうしても我慢出来ず食べちゃいます(貪欲の遺伝子)」というあなたも、もしかしたらそんな遺伝子が災いしているのかもしれません。これから研究が進歩すれば、そのような人間の行動も遺伝子が関与している可能性が明らかとなるかもしれません。
    さらに最近では、生活習慣病のなりやすさが実は母親のおなかにいる時期、すなわち胎児期に決められるという考え方も出てきました。妊娠中の母親の栄養状態が悪いと、胎児は、あたかも「あなたは将来、この少ない栄養で生きていくんですよ」と教え込まれるように育ちます。そんなこととはつゆ知らず、生まれてから過食を続けていると、たちまち糖尿病になってしまう、という理屈です。美しいママを目指す妊婦さんたちの無理なダイエットが、その実、将来のメタボ予備軍をつくりだしている?!なんてことがないことを祈ります。

    ■糖尿病の合併症をおこさないために
    さて、糖尿病の治療の目的は、言うまでもなく合併症を予防することです。糖尿病の合併症としては、まず三大合併症(網膜症・腎症・神経障害、細小血管症とも言います)、そして動脈硬化(大血管症)が重要です。網膜症は我が国の成人失明原因の第二位(一位は緑内障)、糖尿病による腎不全で血液透析となる人は年間1万人を超えています。動脈硬化が原因で起こる病気の代表が心筋梗塞と脳梗塞。どちらも糖尿病の人は、そうでない人に比べて約3倍なりやすく、また若くして起してしまうことが問題です。また、血糖値が常に高い状態にある人は様々な感染症にかかりやすく、これも生命をおびやかす一因です。最近では、ある種のがん(肝臓がん、膵臓がん、大腸がん、乳がんなど)には糖尿病の人の方がよけいになりやすいという調査結果も発表されています。
    糖尿病は血糖値が高い病気ですから、血糖コントロールがとても重要であることは間違いないのですが、それでは血糖値はどこまで下げればよいのでしょうか?色々と薬を使って、それこそ正常にまで下げることが、本当に合併症を防ぐことにつながるのでしょうか?
    そのような、一見あたりまえの疑問に答えるべく、最近、欧米でいくつかの研究が行われました。そこでは、数千人規模の糖尿病の人を対象に、インスリンを含む色々な薬を使って、とにかく正常近くまで血糖値を下げるということをしました。その結果どうなったかと言うと、実は頑張って血糖値を下げても、心臓や脳血管の病気が減ることはありませんでした。それどころか、ある調査では、血糖値をよけいに下げた方が、かえって死亡率が高くなるという結果になってしまったのです。この原因については様々な議論がありますが、治療に伴う弊害(低血糖や体重増加など)、そして既に合併症が進んでいる人たちに問題が起こりやすいと考えられています。ですから、ただやみくもに血糖値を下げるというのではなく、なるべく副作用が起こらないよう、そして今ある合併症の程度を考えながら、適切な管理を行っていくのがよいと思われます。
    もうひとつ最近の調査結果から、糖尿病の治療(血糖コントロール)はなるべく早くから始めた方がよいということが明らかにされました。ある期間にきちんと糖尿病の管理をされた人は、そうでなかった人たちに比べ、その後10年間にわたって合併症を起しにくいということがわかったのです。つまり、たとえ現在の治療状況が同じだったとしても、過去(10年前)の血糖コントロールの良し悪しによって、現在の合併症のリスクが決まってしまうということです。もしあなたが「今はまだ体調も悪くないし、忙しくて通院なんかしていられないから、まあ、もっと先になってからきちんと治療すればいいや」などと思っているとしたら、それこそ10年後に後悔することになるかもしれません。
    以上まとめると、合併症を起さないためには「早期発見、早期治療」、そして血糖のみならず、血圧・脂質・体重・禁煙など総合的に体調管理を行うことが大切だということです。


    ■糖尿病の新しい治療薬:インクレチン療法(図2)



    糖尿病の治療薬には,経口薬,インスリン注射薬など様々なものがあり、最近20年間で大きく進歩しました。その恩恵で血糖管理がずいぶん容易になり、合併症がかなり予防できるようになったことは事実です。誤解しないでいただきたいのは、同じ「糖尿病」といっても体質はひとりひとり異なるので、それに合わせた薬・治療法を選択することが大切であり、決して「最良の治療」が一様に決められるものではない、ということです。他の人が使って病気がとてもよくなったとしても、その薬が自分にとって良いかどうかはわかりません。体質的に、飲み薬よりもインスリン注射が合っている人もいます。よく主治医の先生と相談して,最適の治療法を見つけるようにしてください。
    最近、テレビや新聞などマスコミでも盛んに取り上げられ,広く一般にも知られるようになった新しい治療法が「インクレチン療法」です。インクレチンとは、小腸の細胞でつくられ分泌されるホルモンですが、そのひとつであるGLP-1のはたらきを利用する薬が最近1年半ほどの間に次々と登場しました。 
    GLP-1の主なはたらきとしては、膵臓からのインスリンの分泌を高めること、そして、やはり膵臓から分泌されて、インスリンと正反対に血糖値を上げるホルモンであるグルカゴンの分泌を抑えることが挙げられます。この他、食欲を抑えたり、胃腸の動きを遅くすることで血糖値を下げる方向にはたらきます。
    インクレチン治療薬には大きく分けて、飲み薬であるDPP-4阻害薬と注射薬であるGLP-1受容体作動薬があります。実は、GLP-1は小腸から分泌された後、数分のうちにDPP-4という酵素で分解されてしまうという、大変に寿命の短いホルモンなのです。つまり、GLP-1をただ体に与えても、すぐに分解されてしまって、とても薬としては使えません。その問題を2つの方法で人類の英知が解決しました。ひとつはDPP-4のはたらきを抑えてしまえばGLP-1が分解されなくなるから、体の中でのGLP-1が増えて作用を発揮することになります。これがDPP-4阻害薬です。もうひとつの方法は「分解されない」GLP-1を作ることです。体の中でGLP-1と同じようにはたらくけれど、DPP-4によって分解されない薬。これがGLP-1受容体作動薬とよばれるものの特性です。
    このインクレチン治療薬には、(1)低血糖を起しにくい、(2)体重を増やさない(または減らす)、(3)他の薬との併用効果がある、(4)インスリン分泌能を弱めない、(5)ある程度合併症の進んだ人にも使いやすいなど、これまでの薬にはない利点があり、今後の主要な治療薬として期待が高まっています。

    ■糖尿病の治療はどこへ向かうのか:生活習慣?それとも薬?
    糖尿病と生活習慣の関わり、そしてその治療に生活習慣の改善が基本であることはよくお解りいただけたと思います。とは言うものの、豊富な食物と便利な移動手段、ストレスにあふれた私たちの生活の中で、 はたして理想的な(‘本来の’日本人に適した)生活習慣など実現できるものなのか、まさか江戸時代以前の食生活に戻れとでも?と思われる方もいるでしょう。
    この問題は、もちろん日本に限ったものではなく、全世界的な人類への問いかけです。「美しくなりたい」という欲望を満たすために美容整形手術があるように「好きなだけ食べたい」、「動きたくない」という人たちのために「どれだけ食べても食べ過ぎにならない薬」、「飲むだけで運動したことになる薬」が開発されてくるのかもしれません。自然に返るべきなのか、あくまで科学で解決するのか、その根源的な問いに今、私たちそれぞれが答えを出さなければなりません。「食べて、動く」という動物の最も基本的な行為に関わる糖尿病の解決は、神が人類に与えた、とても大きな課題なのかもしれません。
    (糖尿病内分泌内科 関根信夫)


    災害支援


     2011年4月、厚生年金事業振興団から「厚生年金病院救護チーム」として医師・看護師・薬剤師など(全9チーム、述べ46名)が被災地(宮城県)に派遣されました。当院からは10名が選ばれ、チーム一丸となって医療支援活動を行ってまいりました。

    ■外科 高野道俊
    「今回の災害支援活動では、隅々まで医療がいきわたっていない現況を目の当たりにしました。患者さまの話を聞き、診察・投薬、場合によっては近隣の病院への搬送などを少人数で行わなければならないため、チーム全体の連携の重要性を実感しました。

    ■看護師 中沢美帆子
    患者さまの表情は皆疲れきっており、家や大切な人を亡くしたばかりでしたが、「東京から来たんですか?ありがとうございます。」と何人もの方から労いのお言葉をいただいたのです・・・。少しでも自分にできる事をみつけ、助け合っていきたいと思います。

    ■内科 澤田朋和

    私達は、医療支援のほか、家具の運び出しなどのボランティア活動も行いました。こうした活動を通じて被災者と接し、災害のリアルな部分を普段、一緒に病院で働いているスタッフと共に体感した事が今もって不思議な感慨を誘います。

    ■看護師 川西朱美
    2年前災害支援看護師の認定を受けました。余震の恐怖の中、「今この場をなんとかしよう!共に協力し被災者を支えていこう!」そんな気持ちで自他院の医療スタッフと一丸となり、現地で最善を尽くして参りました。しかし、そんな私達、医療スタッフも様々な方の支援なくしては、活動できなかったと思います。この場をお借りしてお礼申し上げます。1日でも早い復興が進むことを祈っております。


    ねんきん病院を支える仕事人のリレーコラム 2 臨床工学技士





    病院には多くの医療機器があり、用途や使用方法もさまざまです。それらの医療機器は精密で複雑なものが多く、安全に使用するためには専門的な知識が必要となります。臨床工学技士は医学と工学の知識をあわせ持ち、生命の維持に直接つながる機器を扱う専門技術者です。具体的には呼吸が困難な患者さまの呼吸を補助する人工呼吸器、心臓の手術のあいだ一時的に心臓と肺の代わりを行う人工心肺装置、血液中にたまった有害な物質を取り除く血液浄化装置(血液透析・血漿交換・血液吸着…他)などいろいろな医療機器を医師の指示にしたがって操作や点検・修理をおこないます。病院ではME(メディカルエンジニア)またはCE(クリニカルエンジニア)と呼ばれることもあります。当院では人工呼吸器や血液浄化装置のほか心臓カテーテル検査・治療で使用する機械の操作を行い、緊急時には在籍している5名の臨床工学技士が交代で対応しています。また、病院中の医療機器がどこで使われているかを把握し、機械が正常に作動するかを調べたり不具合を直したり安心して使えるように保守・管理をおこないます。さらに、医療機器を正しく安全に使用するために、医師や看護師への研修会の開催も重要な仕事です。 

    私たちが携わる仕事の一つで「血液透析」という言葉をご存知でしょうか? 血液透析とは腎臓の代わりに血液をきれいにする治療です。腎臓は血液中の余分な水分や老廃物をこし出して尿として体の外に排泄したり、必要なものは体に戻して体の中の環境を常に一定に保っています。また血液をつくるホルモンや血圧を調節するホルモンを分泌したり骨を作るカルシウムの吸収を助けるはたらきをしています。しかし腎臓に障害がおきて正常にはたらかなくなると腎不全という状態になります。腎不全は「急性腎不全」と「慢性腎不全」に分けられ、急性腎不全は正常にはたらいていた腎臓が数日から数週間で急速に機能低下したために起こる状態のことで、大量出血や脱水、感染症や薬の副作用など原因はさまざまです。急性腎不全はできるだけ早期に原因を除くことにより機能の回復が期待できますが、腎臓へのダメージが大きいと慢性腎不全に移行する場合もあります。 一方、慢性腎不全は数ヶ月〜数年という長い期間をかけてゆっくりと腎臓のはたらきが低下する状態のことで、原因として多くみられるものは糖尿病による糖尿病性腎症や高血圧による腎硬化症、慢性糸球体腎炎などがあります。慢性腎不全は薬物療法や食事療法により進行を遅らせることはできますが、完全に治すことができません。腎不全が進行すると尿が出なくなり、からだに余分な水や老廃物がたまって生命が維持できなくなります。個人差はありますが、食欲低下・吐き気・体のむくみ・息苦しさや倦けんたいかん怠感などいろいろな症状が現れてきます。そこで透析が必要となります。血液透析は血管の中に挿入した針またはカテーテル(管)から血液を「透析装置」という機械を使って人工の膜でできた透析器(人工腎臓)へ運びます。ここで血液中の老廃物や余分な水分を取り除いたり電解質の調整をおこなって、きれいになった血液を再び体内へ戻します(図1)。



    通常この治療を1回に約3〜5時間、1週間に2〜3回行います。しかし、正常な腎臓が24時間休みなくはたらいているのに対し血液透析では1週間で9〜15時間と短く、正常な腎臓のすべてを代行することができません。そのため日常生活で食事や水分を制限したり薬の投与が必要になってきます。急性腎不全の場合は腎臓のはたらきが回復すれば透析の必要はなくなりますが、慢性腎不全では原則的に一生涯続けることになり極めて生活に密着したものになります。現在日本では29万人以上の慢性腎不全の患者さまが血液透析を受けています。中でも20年以上受けている方は2万人を超えています。 当院では医師・看護師・臨床工学技士・薬剤師・栄養士やソーシャルワーカーなどさまざまな職種のスタッフが関わり、一人ひとりの患者さまに合った透析医療を提供しています。中でも私たち臨床工学技士は透析装置の点検や修理などの保守管理をおこなうほか、患者さまの血管に針を刺したり透析装置を操作して直接治療にも関わります。

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    透析中は患者さまの体調を把握した上で血圧や脈拍などをみて安全に治療が行えるように機械の設定を調整したり、機械が正常に動いているか確認しています。また血液検査やレントゲンなどの検査データをチェックして水分や食事摂取について患者さまにアドバイスをさせていただくこともあります。 透析室には12台の装置があり、外来と入院中の患者さまに午前、午後の2クール制で日曜日を除いて毎日透析治療をおこなっています。透析室での治療が困難な重症患者さまはICU(集中治療室)に配置している透析装置により随時対応しています。なお他院からの紹介により入院された患者さまや他院へ通院されている患者さまの臨時(出張・旅行)の透析も受け付けています。 また、年間平均5200件の透析を行っており、昨年度で具体的にみると透析導入(急性腎不全11名、慢性腎不全15名)、他院からの紹介88名、当院の外来24名を含めて5263件でした。(臨床工学技士 近土真由美)


    お薬ミニコラム 2


    『お薬手帳の活用法!』

    皆さんは、お薬手帳を持っていますか?
    最近調剤薬局さんでも積極的に配布されていますし、聞いたことはあるという方は多いのではないでしょうか。
    しかし、なかには持ち歩くのが面倒、必要性が実感できない、そんな方もいらっしゃることと思います。
    そこで、第2回目となる今回は、お薬手帳の活用法について考えてみたいと思います。

    先日、私はある出来事をきっかけに、改めてお薬手帳の必要性・有用性を身をもって実感する機会がありました。
    それは、東日本大震災です。
    テレビ等でも報道されていますが、被災地の避難所では薬に関する様々な問題があがっています。供給不足が特に大きく報道されていますが、とりわけいつも服用している薬は何か?といった情報不足が大きな問題となっています。
    そんな時に活用すべきがお薬手帳。
    薬の名前や飲み方がわからなくても、お薬手帳があればすぐに医師に伝わります。「自分の薬くらい覚えている」という方もいらっしゃると思いますが、一文字違うだけで全く別の薬になってしまうこともありますから、より正確に・安全にという意味でもとても大切です。

    活用できるのは何も被災地だけではありません。
    実際当院でも、この前の震災の時、地元に帰れなくなった患者様が、夜中に薬が足りないと救急でいらっしゃったことがありました。その方は幸いお薬手帳を持っていたおかげで、当直医も必要な薬が把握でき、当院から同様のお薬を処方することができました。

    その他にもより身近な例でいえば、複数の病院にかかった際、同じ効果の薬が重なっていないか、飲み合わせが悪い薬はないか?などを確認するうえで重要です。最近ではジェネリック薬品への変更の有無などを知る手掛かりにもなっています。また、何の薬を飲んでいるか?という情報だけでなく、「この薬にアレルギーがあります」「この薬は飲みにくいので粉砕されています」など医療機関をつなぐ連絡帳の役目もあるのです。当院では入院時持参薬の鑑別を行う際にお薬手帳を参照させて頂いています。最近は持っている方が増え、鑑別をする上で大いに役立っています。

    どうでしょう?少しは使ってみようという気持ちを持って頂ければ幸いなのですが。
    当院では院内処方または退院の患者様には薬と一緒に、お薬手帳に張るシールをお渡ししています。もちろん、手帳も希望者には配布しておりますので、院内で薬をお受け取りになられる患者様は薬剤師に声をお掛け下さい。

    薬剤部 藤掛沙織
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