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病理診断科


診療内容

実際の業務

病理診断には以下のようなものがあります。
  • 細胞診断
  • 生検組織診断
  • 手術で摘出された臓器・組織の診断
  • 手術中の迅速診断
  • 病理解剖

細胞診断

肺癌や膀胱癌では、痰や尿の中にがん細胞が混じることがあります。痰や尿を顕微鏡で調べてがん細胞がいるかどうかを判断するのが、細胞診断です。その他、子宮頸部や体部から細胞をこすりとってがんなどの腫瘍細胞や、のどや乳房などにしこりがあると、細い針を刺して、細胞を吸引し腫瘍細胞がいるかどうかを調べたりします。
当病院には5名の細胞検査士がいて、一人の患者さんの検体について2名がスクリーニングをし、病理医が最終判断を行っています。

生検組織診断

発見された病変の確定診断と治療方針の決定のために、胃・大腸や肺の内視鏡検査を行う際に病変の一部をつまみ採ったり、皮膚などにできものができたときに病変全体あるいは一部をメスなどで切り取ったりして、組織を標本にします。この検査を「生検」といい、その診断を生検組織診断とよびます。特にがんなど悪性腫瘍では治療方針に大きく関わるため、質の高いチーム医療に貢献するため、適切で迅速な診断を目指し、標本の作製方法など様々な取り組みを作っています。
患者さん (患者さん)
最近胃の調子が悪いから、検査受けてみよう。
患者さん (内視鏡検査)
内視鏡検査で、潰瘍か腫瘍か判断が難しいといわれてしまった。
患者さん (病理医)
うーん。細胞異型はあるけど、再生性の異型で、がんではない。
患者さん (主治医)
病理医の診断は「潰瘍」で、「がん」ではありません。手術の必要はありません。少し、お薬で様子をみましょう。

手術で摘出された臓器・組織の診断

摘出された臓器・組織は、病理医が肉眼で病変の部位、大きさ、性状、広がりを確認し、診断に必要な部分を必要な数だけ切りとります。国家資格をもつ臨床検査技師がこの臓器・組織の顕微鏡標本をつくります。病理医が標本を顕微鏡で観察し、病変がどのくらい広がり、進行しているか、また手術でとりきれているかどうかなどの判断をし、さらにがんの場合、がんの種類やタチの悪さ(組織型など)や転移の有無など、治療方針に役立つ情報を臨床医に提供します。診断の難しい腫瘍の場合は、専門性の高い病理医と標本を共有して質の高い診断ができるようしています。

手術中の迅速診断

病変の部位などの関係で、生検が難しく、手術前に病理診断ができない場合、「術中迅速診断」を行います。術中迅速診断では、手術中に採取された病変組織を迅速に標本にし、おおよそ20分以内に病理診断を行います。診断結果は執刀医に連絡され、手術方針が決定されます。乳房癌などは、部分切除される場合が多く、切除された組織の断端にがん細胞がないかどうかを調べるときにも、術中迅速診断は役立ちます。

病理解剖

治療の甲斐なく、不幸にも病死された患者さまのご遺体を、ご遺族の承諾のもとに、解剖させていただくのが「病理解剖」で、剖検ともよばれます。生前の診断は正しかったのか、どのくらい病気が進行していたのか、適切な治療がなされていたのか、治療の効果はどのくらいあったのか、直接の死因は何だったのか、などに対して、すこしでも答えを見出すために行います。事故や犯罪がからむ法医解剖や医学生の教育のために献体していただく系統解剖とは異なるものです。病理解剖の報告書は、ご遺族のご希望があれば開示しています。
当院の病理解剖例では死亡時画像病理診断(Autopsyimaging)も同時に行い、画像診断の面と臓器の顕微鏡レベルの診断をあわせて評価することで、より高いレベルの死因究明を行い、医療の貢献を目指しています。
当院では、貴重な知識、経験の共有のため月一回のペースで病理解剖例のCPC(clinical pathological conference)を行っています。

スタッフ

常勤病理医1名(スタッフ紹介参照)、臨床検査技師および細胞検査士の資格をもった技師5名(女性2名、男性3名)で運営されています。

メッセージ

病理診断科より患者さまへ

病理診断とは

病理診断とは、患者さまの病変から採取された材料(細胞や、組織)を、顕微鏡で観察し、病理学の知識や手法を用いて病変部の病理学的診断名を決定する医療業務です。患者さまが病院を受診すると、診断のためにいろいろな検査が行われます。多くの場合、血液あるいは尿検査、ときに放射線検査で診断がつき、適切な治療がなされますが、病気の種類によっては、確定診断のために、患者さまの体から細胞あるいは組織を採取する必要が生じます。これを顕微鏡で観察し診断するのが「病理診断」で、この病理診断を専門とする医師が「病理医」です。病理診断の結果により治療が選択され、また治療効果判定を目的としている場合もあります。

病理診断は主治医に報告され、治療に生かされます。病院に病理医がいることで、主治医と連絡し、患者さまの状態をふまえた、より個別化された診断が迅速に、より良質の医療を提供することにつながります。

病理診断は、平成20年度診療報酬表改訂において独立した項目となり、また前後して医療法における標榜科(医療機関が広告できる科名)に「病理診断科」が認められることになりました。これからの病理診断の意義に基づいた措置です。

研修を希望される研修医のみなさまへ

各科研修プログラムはこちらです。

取り扱う主な疾患

診療実績

2014年度 2015年度 2016年度 2017年度 2018年度
細胞診診断検査件数 5,645件 5,222件 4,861件 4,394件 4,426件
術中迅速検査件数 157件 136件 150件 149件 120件
組織診診断検査件数 3,989件 3,947件 3,728件 3,496件 3,645件

スタッフ紹介

医師名・役職 卒業年・
卒業大学
専門医等 専門分野・その他
いのうえ まさふみ
井上 雅文
医長
2006(H18)年
福井大学卒
日本病理学会病理専門医
日本臨床細胞学会細胞診専門医
外科病理一般

 バーチャルスライドシステム(遠隔病理診断システム)を利用した関東のJCHO病院における一人病理医問題の解決と病理診断科の病院間連携の模索

研究に関するお知らせ

JCHO東京新宿メディカルセンター・JCHO東京山手メディカルセンターでは
以下の研究を行います。本研究は、倫理委員会の審査を受け承認された後に、関連の研究倫理指針に従って実施されるものです。

研究期間: 2018年12月1日 ~ 2021年3月31日
〔研究課題名〕

バーチャルスライドシステム(遠隔病理診断システム)を利用した関東のJCHO病院における一人病理医問題の解決と病理診断科の病院間連携の模索

〔研究目的〕

子宮頸部上皮内腫瘍(CIN)は前癌病変であり、子宮頸癌ガイドラインでは組織診断の結果によりその後の治療方針が変わってきます。しかし、文献的にはCINの診断は病理医間の一致率が必ずしも高いわけではなく、病理医間の連携が必須ですが、日本の病理医は絶対数が少なく十分な連携が難しい状況です。バーチャルスライドシステムは、病理標本をデジタル化することで、連携がより容易となることが分かっていますが導入出来ていない施設が多いのが現状です。本研究では、バーチャルスライドシステムを導入し、それによりCINの診断一致率の向上を検討し、病院間連携の課題の抽出などを模索することを目的としています。

〔研究意義〕

研究の意義としては、バーチャルスライドスキャナーを用いて診断一致率を向上することで、医療連携の向上や診療レベルの向上が期待できると考えています。

〔対象・研究方法〕 

2010年-2018年にJCHO東京新宿メディカルセンター、JCHO東京山手メディカルセンターにて子宮頸部生検で子宮頸部上皮内腫瘍(CIN)と診断された方の病理組織標本を病理診断報告後に用いて、バーチャルスライドスキャナーに取り込み、2病院間を繋いでいるVPN回線を用いて標本を2回に分けて評価し、その診断一致率を評価する。2回に分けて評価する間に、skypeなどインターネットを通じて病理医間で診断についてdiscussionを行う。

〔研究機関名〕
JCHO東京新宿メディカルセンタ―病理診断科、JCHO東京山手メディカルセンター 病理診断科。
〔個人情報の取り扱い〕 個人情報は匿名化し、番号で認識します。
〔この研究に関する情報の提供について〕 研究計画や関係する資料をお知りになりたい場合は、他の患者さんの個人情報や研究全体に支障となる事項以外はお知らせすることができます。
〔その他〕 既存の試料を用いるため、謝礼等はありません。
対象となる患者さんで、ご自身の検査結果などの研究への使用をご承諾いただけない場合や、研究についてより詳しい内容をお知りになりたい場合は、下記の問い合わせ先までご連絡下さい。
ご協力よろしくお願い申し上げます。
問 い 合 わ せ
 

 JCHO東京新宿メディカルセンター 病理診断科
研究責任者:井上雅文

住所:〒162-8543  東京都新宿区津久戸町5-1
TEL:03-3269-8111 (代表) 〔内線〕2491

JCHO東京山手メディカルセンター 病理診断科
研究分担者:阿部 佳子
〒169-0073 東京都新宿区百人町3丁目22−1
TEL:03-3364-0251 (代表) 〔内線〕2262
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