脊椎脊髄外科
診療内容
背骨に関係のある疾患あれば、頸椎、胸椎、腰椎に関わらず、最新の知識と豊富な経験を持ったスタッフが親身に診察・治療します。どうぞお気軽にご受診ください。初診外来
月曜日から金曜日までの午前9時から11時30分まで受け付けています。予約をとっていただいた方を優先して診察しておりますので、受け付け窓口(03-3269-8111)にお電話いただいて予約をしてください。かかりつけ医や治療中の医療機関からの紹介があれば紹介状(診療情報提供書)や画像資料等をご持参の上、受診していただければ幸いです。これらの資料をご持参いただくと、その後のご負担が軽くなります(画像はCD-ROMによるデータでも受け付けております)。ご予約の無い場合、長時間お待たせすることがあります。再診外来
2回目以降受診される場合は再診外来の受診となります。予約制となっており、診察時に医師が必要に応じて次回の予約をお取りします。再診予約のない場合でも受け付け窓口(03-3269-8111)での予約も可能です。ご予約の無い場合、長時間お待たせすることがあります。入院診療
担当医を決めて診療を受け持たせていただきます。いろいろな検査、治療や日常的な説明などの実務は担当医が行いますが、診断や治療方針についてはスタッフ全員がカンファランスで相談しながら決定します。脊椎の病気には不自由なことがたくさんありますが、病棟では医師、看護師、理学療法士、薬剤師をはじめ色々なスタッフがおります。分からないこと、不安なことなどがありましたら遠慮なくお尋ねください。
メッセージ
脊椎脊髄外科は、体の中心でその本幹の動きを支える臓器である背骨とその中にある脊髄や神経の診療を専門としており、その守備範囲は広い分野にまたがります。我が国のみならず世界各国で高齢者人口の増加と、それに伴う運動器の障害(体の動きが不自由になる)が大きな問題となっており、脊椎・脊髄外科のニーズはますます高まっています。背骨に関係のある疾患があれば、頸椎、胸椎、腰椎に関わらず、最新の知識と豊富な経験を持ったスタッフが親身に診察・治療します。私たちが目指しているのは
① 思いやりの気持ちをもって脊椎外科医療に取り組むこと
② 高度の知識と卓越した技術のもとに安全・確実な医療を提供すること
③ 医療を通じて社会に貢献すること
です。
我々は整形外科と脳神経外科との密なコラボレーションを確立し、腰痛、頸部痛、脊椎圧迫骨折から、脊髄内外の腫瘍、頸髄症、靭帯骨化症、脊柱管狭窄症、椎間板ヘルニア、そして脊柱変形、側弯症に至るまで、すべての脊椎脊髄疾患を幅広く扱います。また、内視鏡を用いた低侵襲手術も得意としているため、小さな傷と短い入院期間で手術を受けることも可能です。また、都内有数の広いリハビリテーションスペースを備え経験豊かなスタッフにより運動器疾患に対する高度な治療をめざしています。
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取り扱う主な疾患
【変形性頸椎症:頸椎症性脊髄症(頸髄症)および頸椎症性神経根症】
変形性脊椎症とは、加齢に伴って脊椎の関節にある軟骨が削れてきたり骨の棘ができる一連の病態を示し、頸椎症性脊髄症(頸髄症)、頸椎症性神経根症、腰部脊柱管狭窄症などの原因です。この病態が頸椎に起こった場合を変形性頸椎症と呼びます。椎間板の変性、骨棘、脊柱靭帯(黄色靭帯など)の肥厚、さらにこれらの変化に伴って発生する脊椎不安定性によって、脊柱管や椎間孔が狭くなって、神経組織(脊髄、馬尾、神経婚)が圧迫されることによって色々な痛みやしびれ、麻痺症状を呈します。

一方、枝分かれした神経根症状が主体のものを頸椎症性神経根症と呼びます。頸椎の動きに関連する上肢痛やしびれ、または頸部肩甲骨部痛があり、単純レントゲンで症状の発現との関連を説明できる頸椎症性変化(椎間孔部での骨棘など)を確認できれば、頸椎症性神経根症の診断名をつけることは多いですが、MRIでは詳細な観察が困難であり、いまだ画像上のグレーゾーンです。神経根症だけでは手術になることはほとんどありません。
他の部分の変形性脊椎症については、胸椎部で脊髄が圧迫されると下肢麻痺の原因となり胸椎症性脊髄症と呼びますが、これは頻度が少ないです。腰椎部では脊柱管内に脊髄ではなく馬尾神経が存在するため頸椎胸椎とは圧迫によって生じる病態が異なり、腰部脊柱管狭窄症と呼ばれていますが、これは後述します。
【頸椎椎間板ヘルニア】

治療に関しては、頸髄症と同様に、歩行障害や膀胱直腸障害がある場合には手術を行います。前方から椎体を削ってヘルニアを取り出す手術(前方除圧固定術)を行うことが多いですが、首の後ろ側から神経の通り道をひろげる手術(脊柱管拡大術)を行うこともあります。
【頸椎後縦靭帯骨化症】

本疾患も頸髄症や頸椎椎間板ヘルニアと同様の適応で、首の後ろ側から神経の通り道をひろげる手術をおこなっています(脊柱管拡大術)。
【環軸椎亜脱臼】
環軸椎亜脱臼は、頸の1番目の骨(環椎)と2番目の骨(軸椎)がずれ、不安定になる病気です。関節リウマチの患者さんにみられることが多い病気ですが、リウマチ以外にも、外傷(歯突起骨折)、歯突起骨、環椎頭蓋癒合症、歯突起後方偽腫瘍、ダウン症、モルキオ病などに伴ってみられます。治療としては、脊髄の障害で麻痺が進行する場合には手術を行います。手術では、不安定になった頚椎をスクリューで固定する方法を行っています。頚椎のスクリュー固定は、すぐれた固定性が得られる反面、血管や脊髄を損傷する危険もあります。当科ではスクリュー挿入の精度を高めるため、コンピュータナビゲーションを用いて安全に手術を行えるようにしています。
【腰椎椎間板ヘルニア】

治療としては、保存治療が主体です。消炎鎮痛剤の投与や、仙骨部硬膜外ブロック、神経根ブロックなどを実施することが多いです。50%の症例においては6週以内に急性発作から回復し保存治療が奏功しますが、まれに長期にわたり改善しないケースあります。手術治療を強く考慮する症状としては、膀胱直腸障害(尿閉・失禁など)の出現や、高度の下肢麻痺などが挙げられます。当科では内視鏡を使ってヘルニア(髄核)を取り除く低侵襲手術(MED)を行っています。
【腰部脊柱管狭窄症】

脊柱管が狭くなる原因としては、生まれつき脊柱管が狭い場合もありますが、主に加齢による周囲の骨の変形や黄色靭帯の肥厚、椎間板の突出、脊椎すべりの発症などのさまざまな要因が複合的に関与していると考えられています。
腰部脊柱管狭窄症では様々な症状が出現しますが、典型的な症状として、間欠跛行があります。間欠跛行とは歩き初めてしばらくすると足が痛くなったりしびれや脱力のため歩けなくなり、しゃがんだり座ったりして休むとまた歩けるようになるという症状です(下図)。また、自転車には乗れるというのが特徴的です(前屈姿勢だから)。歩ける時間や距離は患者様により異なり、数十分連続で歩ける人もいれば1~2分歩くのがやっとという人もいます。

本疾患と間違えやすい疾患として、閉塞性動脈硬化症や下肢の変形性関節症による痛みなどがあります。血管性疾患である閉塞性動脈硬化症との鑑別には問診(前屈しても症状が出る、すなわち自転車に乗れない、など)に加え、ABI(ankle brachial index:下肢・上肢血圧比)検査が有用です。検査としてさらに、手術を実施する場合などにおいてMRI検査に加えて、脊髄造影、CT検査などが追加して行われることがあります。


上記の内服、ブロック注射によって改善されない症例は全体の約1/3程度であり、これらの患者様が手術になります。
ただし手術には絶対適応はなく、各患者の仕事や社会環境によって選択することになります。手術には、除圧術と固定術があり、症例によって選択しています。我々は、内視鏡を用いて小さい皮膚切開で除圧を行う方法(MEL)を導入しています。すべり、側彎、後彎など変形や腰椎不安定性が強いと判断できる場合に固定術が併用されます。
本疾患に関しては、歩行能力の低下から将来車イスになってしまうのではと不安を抱いてうつ状態に陥る患者様も多いのですが、あまり悲観的に考えることはありません。
【側弯症】


治療としては、Cobb角25°以上は装具治療を行います。頂椎が中位胸椎より下のカーブではTLSO(アンダーブレース)が、上のカーブではCTLSO(ミルウォーキーブレース)が使用されますが、アンダーブレースが使われることが多いです。

【骨粗鬆症】
骨粗鬆症とは、全身の骨の量が減少して骨折を起こしやすくなった病気をいいます。現在、国内の骨粗鬆症の患者数は高齢化の進展に伴い増加しており、約1,280万人と言われています。原因は、閉経(生理が終わること)や老化が殆どで、女性に多い病気です。また、ステロイドの内服や性腺の病期、副甲状腺機能亢進症などの内分泌疾患、関節リウマチ、腎臓の病気、無理なダイエットなどによって起こる二次的な骨粗鬆症もあります。骨が減るだけでは病気とは言えないと思うかも知れませんが、これらの患者さんは、骨が減ることによって、骨折(脆弱性骨折)を起こす可能性が高くなります。代表的な骨折は、脊椎圧迫骨折と大腿骨頸部骨折で、いずれも寝たきりの原因になります。
骨折を起こす前に、また、骨折があってもそれ以上の骨折を予防することが大切です。しかしながら、医療機関で骨粗鬆症の治療を受けている患者さんは20~30%にすぎません。
【骨粗鬆症による脊椎圧迫骨折・脊椎破裂骨折】

しかしながら、骨癒合が得られず(遷延治癒、偽関節)、腰痛がいつまでも続く場合があります。また、骨折の骨片が脊柱管の中にまで入り込んで(破裂骨折)、これによって脊髄が圧迫されて神経麻痺を起す場合もあります。これらの場合には、椎体の中にセメントを入れて安定化させる椎体形成術や、スクリューを用いた後方固定術を行う場合もあります。
【脊髄腫瘍】
脊髄や神経根、馬尾からできる腫瘍です。脊髄腫瘍は脳腫瘍より少なく、一年間に10万人当たり1~2人程度の発生頻度といわれています。腫瘍の発生する部位によって硬膜外腫瘍、硬膜内髄外腫瘍、髄内腫瘍の3つに分類されます(下図)。

髄内腫瘍は脊髄の中に腫瘍が成長し、残存した正常脊髄を内側から圧迫します。やはり麻痺や感覚障害、膀胱直腸障害といった症状を呈します。上衣腫、星細胞腫、血管芽細胞腫などがあります。これらの腫瘍も確実に発育するため手術治療(腫瘍摘出術)が原則となります。しかし、正常脊髄と腫瘍の区別が困難で全摘出が出来ないこともあり、機能的および生命予後は組織の種類に左右されます。手術に際しては顕微鏡下での繊細な技術を必要とします。
診療実績
2017年度 | 2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | |
---|---|---|---|---|---|
腰部脊柱管狭窄症手術 | 92件 | 148件 | 116件 | 84件 | 108件 |
腰椎椎間板ヘルニア手術 | 35件 | 39件 | 40件 | 39件 | 50件 |
頸椎症性脊髄症手術 | 28件 | 42件 | 36件 | 29件 | 32件 |
靭帯骨化症手術 | 10件 | 9件 | 10件 | 14件 | 12件 |
側弯症手術 | 55件 | 64件 | 64件 | 45件 | 47件 |
脊髄腫瘍摘出術 | 8件 | 10件 | 1件 | 4件 | 4件 |
上位頸椎不安定症手術 | 5件 | 4件 | 4件 | 5件 | 4件 |
内視鏡下脊椎手術 | 43件 | 65件 | 40件 | 42件 | 54件 |
経皮的椎体形成術(BKP) | 2件 | 6件 | 件 | 2件 | 8件 |
スタッフ紹介
医師名・役職 | 卒業年・ 卒業大学 |
専門医等 | 専門分野・その他 |
---|---|---|---|
![]() おの たかし 小野 貴司 副院長 (手術担当) 主任部長 |
1998(H10)年 東京大学卒 |
日本整形外科学会整形外科専門医 日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医 日本脊椎脊髄病学会認定脊椎脊髄外科指導医 「臨床研修指導医養成ワークショップ」修了 「がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会」修了 「令和元年度東京都身体障害者福祉法第15条指定医講習会」修了 「平成28年度第7回NCGM臨床研修指導医養成ワークショップ」修了 |
側弯症 脊髄腫瘍 小児脊椎外科 内視鏡脊椎外科 コンピューター支援手術 |
のはら あやと
野原 亜也斗 医長 |
1999(H11)年 埼玉医科大学卒 |
日本整形外科学会整形外科専門医 日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医 日本脊椎脊髄病学会認定脊椎脊髄外科指導医 |
側弯症 小児脊椎外科 脊椎外科一般 |
うめこうじ ひでまさ
梅香路 英正 医長 |
2002(H14)年 埼玉医科大学卒 |
日本整形外科学会整形外科専門医 日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医 日本脊椎脊髄病学会認定脊椎脊髄外科指導医 |
脊椎外科一般 |
きしだ しゅんいち 岸田 俊一 医長 |
2003(H15)年 三重大学卒 |
日本整形外科学会整形外科専門医 日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医 日本脊椎脊髄病学会認定脊椎脊髄外科指導医 |
脊椎外科一般 |
いいづか まさあき 飯塚 正明 医師 |
2009(H21)年 山梨大学卒 |
日本整形外科学会整形外科専門医 | 脊椎外科一般 整形外科一般 |
うらやま だいき 浦山 大紀 医師 |
2015(H27)年 群馬大学卒 |
日本整形外科学会整形外科専門医 「がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会」修了 |
脊椎外科一般 |
外来担当医
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |
---|---|---|---|---|---|
午前 | 当番医 地域枠10:00~ |
当番医 地域枠10:00~ 小野貴司 野原亜也斗 |
当番医 地域枠10:00~ 小野貴司 野原亜也斗 |
当番医 地域枠10:00~ 岸田俊一 |
当番医 地域枠10:00~ 岸田俊一 飯塚正明 浦山 大紀 |
午後 | 小野貴司(第1・3・5) 梅小路英正(第2・4) |
小野貴司 野原亜也斗 梅香路英正 |
岸田俊一 飯塚正明 |
★紹介状を持っていて、受診希望医がある場合は、必ず事前に予約して下さい。
(診療状況によっては希望に応じられない場合があります)
電話予約:TEL 03−3269−8180(外来予約センター)
予約時間:平日8:30~17:00
2023/10/2更新
特殊外来
側弯症外来
側弯症は、整形外科のなかでも専門性が非常に高く、専門医による診断や治療が必要です。当院の脊椎脊髄外科は2013年に開設されましたが、側弯症外来のスタッフはそれぞれ側弯症を専門とした施設にて診療経験があり、それらを集約した治療を行っております。
側弯症治療は、適切な時期に、適切な治療をしなければなりません。また、多くの側弯症は装具治療によって進行を抑え、手術をせずに済むことがおおいのです。当院では、側弯症に対する手術治療だけではなく、装具治療にも力を入れて診療を行っています。診断、治療が間違っていたため、手術をしなくても済んだかもしれない側弯が悪化してしまい手術しなければならなくなったことも少なからずあります。側弯症については、日本脊柱変形協会HP(外部リンク)もご参照ください。
側弯症治療は、適切な時期に、適切な治療をしなければなりません。また、多くの側弯症は装具治療によって進行を抑え、手術をせずに済むことがおおいのです。当院では、側弯症に対する手術治療だけではなく、装具治療にも力を入れて診療を行っています。診断、治療が間違っていたため、手術をしなくても済んだかもしれない側弯が悪化してしまい手術しなければならなくなったことも少なからずあります。側弯症については、日本脊柱変形協会HP(外部リンク)もご参照ください。
側弯症とは
脊柱(せぼね)は正常では、正面からみるとまっすぐです。しかし、正面からみても脊柱(せぼね)がねじれを伴って左右に弯曲していることがあります。これを側弯症と呼びます。
側弯症の原因については、その多くがわかっていません。原因のわからない側弯を“特発性側弯症”といいます。他に、生まれた時から脊柱(せぼね)の形の異常(椎体奇形)があるために側弯になる“先天性側弯症”、何らかの疾患に伴って側弯になる“症候性側弯症”があります。また、思春期から側弯症があったが、治療せずに成人になって腰痛などの症状が出現してからわかる“成人側弯症”、高齢者になって生じる“変性側弯症”があります。それぞれの側弯では特徴や治療方法などが異なります。

側弯症の原因については、その多くがわかっていません。原因のわからない側弯を“特発性側弯症”といいます。他に、生まれた時から脊柱(せぼね)の形の異常(椎体奇形)があるために側弯になる“先天性側弯症”、何らかの疾患に伴って側弯になる“症候性側弯症”があります。また、思春期から側弯症があったが、治療せずに成人になって腰痛などの症状が出現してからわかる“成人側弯症”、高齢者になって生じる“変性側弯症”があります。それぞれの側弯では特徴や治療方法などが異なります。

側弯症の診断は
背中から見て、前傾姿勢を取った際に背中の丸みが左右で異なると側弯を疑います。また、肩の高さ、ウエストのくびれ、肩甲骨の高さなど左右で異なるなどがあると側弯症を疑います。脊柱(せぼね)は体の中心にあるため、側弯があると左右が非対称になります。しかし、正確な診断はレントゲンを撮影することですので、受診をお勧めいたします。




側弯症の治療は
側弯症治療は、側弯の状態、年齢によって異なります。治療の内容は、保存的な治療と手術治療に大きく分けられます。保存的治療とは、装具治療とギプ治療です。運動療法、整体などの民間療法といわれるものには矯正効果はないといわれています。また成長が終了しても、側弯の大きさによっては成長期ほどではありませんが進行していきます。
装具治療、ギプス治療
小児の側弯の多くが早期に発見され治療が行われれば、手術治療を回避できることが多いのです。側弯は成長期に進行するため、成長が終了するまでの治療が非常に重要です。装具治療のおもな目的は側弯を進行させないことです。装具治療によって側弯がなくなるということは非常に稀です。ただし、手術をおこなわなければならないほど側弯が進行することを抑えることができる唯一の治療法です。装具は側弯の形によっていくつか種類があり、その側弯に対し適切な装具を選択しなければなりません。そのため、間違った装具はせっかく着用しても効果が不充分であったり、かえって悪化させてしまったりすることもあります。また、成長期ですので、装具はその都度調整をしていかないと合わなくなりします。そのため、4ヶ月ごとに医師がチェックを行っていきます。
小学校低学年くらいまでのお子さんは、まだ側弯が柔らかいことが多く、側弯が比較的大きい場合は、積極的にギプスを使った治療をおこなっています。この治療は、装具治療よりも非常に効果的です。ギプス治療と、装具治療を組み合わせて行っていきます。

装具治療例 ギプス治療例
小学校低学年くらいまでのお子さんは、まだ側弯が柔らかいことが多く、側弯が比較的大きい場合は、積極的にギプスを使った治療をおこなっています。この治療は、装具治療よりも非常に効果的です。ギプス治療と、装具治療を組み合わせて行っていきます。




手術治療
手術治療をおこなうべきかどうかは個々で異なります。側弯の大きさ、部位、進行度、年齢などで決定していきます。小児では、痛みなどの症状が出現するのはかなり進行してからです。そのため、症状が手術の適応になることは少ないです。手術の目的は、側弯をできる限り矯正し、それ以上悪化しないようにすることです。成人については、腰痛や下肢痛、しびれなどの症状が手術適応の判断となります。手術の目的は症状の悪化を防ぎ、神経への圧迫を取り除くこと、そして側弯の悪化を防ぐことです。
手術治療は、側弯の矯正を行い、インプラントを使用して固定術をおこないます。手術技術、機器の進歩により、手術成績はここ10年で飛躍的に向上しております。手術後の経過も非常によくなっております。
また手術が治療のゴールではありません。手術後の経過を追っていくことも非常に重要です。どのような生活をおこなっているのか、普段からの姿勢、運動の状況についても指導を行っていくことが、その後の症状、生活に大きく影響します。そのため外来にて定期的に長期間チェックしていきます。特発性側弯症の手術例


成人側弯症は治療がおくれると骨粗鬆症もあり、骨が潰れてしまうこともあります。担当医師
小野貴司
川上紀明先生(名城病院)、竹下克志先生(東京大学医学部附属病院)、Peter O. Newton先生(Rady Children’s Hospital, San Diego)に師事
野原亜也斗
川上紀明先生(名城病院)に師事電話予約:TEL 03−3269−8111(代表)
予約時間:平日14:00〜16:30
手術治療は、側弯の矯正を行い、インプラントを使用して固定術をおこないます。手術技術、機器の進歩により、手術成績はここ10年で飛躍的に向上しております。手術後の経過も非常によくなっております。
また手術が治療のゴールではありません。手術後の経過を追っていくことも非常に重要です。どのような生活をおこなっているのか、普段からの姿勢、運動の状況についても指導を行っていくことが、その後の症状、生活に大きく影響します。そのため外来にて定期的に長期間チェックしていきます。特発性側弯症の手術例




小野貴司
川上紀明先生(名城病院)、竹下克志先生(東京大学医学部附属病院)、Peter O. Newton先生(Rady Children’s Hospital, San Diego)に師事
野原亜也斗
川上紀明先生(名城病院)に師事電話予約:TEL 03−3269−8111(代表)
予約時間:平日14:00〜16:30