卒業式

令和7年度卒業式

3月4日に、保護者、在校生参加のもと、卒業式を挙行いたしました。27名が卒業を迎え、関根学校長よりひとりひとりに卒業証書が授与されました。

卒業生の答辞より

 3年前、私たちは期待と不安を胸に、看護師への第一歩を踏み出しました。(中略)いくつものグループワーク、放課後や長期休みにも取り組んだ技術練習が、少しずつ私たちを1つのチームにしていきました。(中略)1つひとつの技術を身体に覚え込ませようと、無我夢中で練習を重ねた日々は、今の私たちの確かな土台となっています。

~ 中略 ~

 そして迎えた臨地実習では、教科書だけでは決して学ぶことのできない、多くの尊い経験を重ねました。初めて受け持った患者さんを前に緊張で手が震えたこと、患者さんの「こうしたい」という願いに応えたい思いと、安全を守る責任との間で葛藤したこともありました。
 中でも、小児看護実習での重症心身障害児のお子さんとの経験は、私に大きな学びを与えてくれました。言葉でのコミュニケーションが難しく、どう接すればよいのか分からず立ち尽くしていた私に、先生は「反応がないと思ったら、そこには何もないよ。」と声をかけてくださいました。その言葉を胸に、毎日じっと向き合い続ける中で、わずかな表情の緩みや声の出し方、呼吸のリズムの違いが、言葉以上のメッセージとして伝わってくるようになりました。「反応がない」のではなく、私にそれを感じ取る力が足りなかったのだと気づいたとき、観察し、寄り添うことの真意を、身をもって学びました。この経験は、教室で学んだ哲学の理解を深めることにつながりました。サルトルの『嘔吐』という書物に、「言葉が存在を理解可能にすると同時に、その存在の豊かさや多様性を隠してしまう」ことを示す一節があります。私たちはつい、言葉によるコミュニケーションだけに頼り、相手を分かったつもりになってしまうことがあります。しかし、言葉にならない微細な反応の中にこそ、患者さんの本当の思いが隠されている。実習での実感と、教室で学んだ哲学が重なる経験から、看護師に求められる寄り添う力の深さを改めて確信することができました。

おわりに

学生は様々な壁にぶつかりながらも、諦めずに努力を重ね、患者さんに真摯に向き合う中で、看護とは何かを確実につかんできたことが感じられました。看護学校は卒業ですが、ここからがみなさんの看護のはじまりです。自分の夢に向かって進んでいく中で、学んだことを忘れず、常に誠実で、他者に対して思いやりのある人であり続けてください。