令和5年度卒業式
3月1日に、ご父兄、在校生参加のもと、卒業式を挙行いたしました。35名が卒業を迎え、関根学校長よりひとりひとり卒業証書が授与されました。
関根学校長の式辞では、当校のディプロマポリシーに触れ、就職してからも求められる姿が変わることはないという言葉とともに、研修医時代に患者さんにとって何が良いのかを患者さんとともに考え、感謝の言葉をいただいた経験から、学生たちに患者さんと一緒に考える看護師になってほしいとメッセージをいただきました。
卒業生の答辞では、実習で受け持った慢性閉塞性肺疾患の患者さんへの看護について以下のように振り返っていました。
援助中、患者さんから「この体勢は苦しい」「このチューブはこの位置にして欲しい」などのお言葉をかけられることが多くありましたが、援助で精一杯になってしまい、患者さんからのお言葉に応えることができませんでした。患者さんに安楽な援助を提供するためにどうすればよいのか悩み、病棟指導者や先生に相談したところ、「患者さんはなぜこのような言葉をかけるのか考えてみて」とアドバイスを頂きました。そこで患者さんとの会話を思い返すと「呼吸が苦しいことを周りは分かってくれない」と発言することがあり、援助中のお言葉は、ただ「苦しい」ということを伝えたいだけでなく、「私の気持ちを分かってほしい」という思いが根底にあるのだと気づきました。患者さんがこれまで歩んでこられた人生を理解し、その人らしい生活ができるよう援助することが看護であると学びました。
実習中、自分の知識不足や視野の狭さ、未熟な技術に落ち込み、行った援助が適切であったのか、悩むこともありました。そんなとき先生方は、病院から学校に戻ってきた私たちひとりひとりの話を親身になって聞き、指導をして下さいました。援助や患者さんとの関わりに悩んでいるときには、私たちの考えや思いを尊重した上で、看護の考え方や患者さんとの接し方について気づきを与え導いてくださいました。そのおかげで私たちは、様々な患者さんに出会う中で、自分の長所や短所に気付き、看護観を深めていくことができました。
学生は様々な壁にぶつかりながら、みなそれぞれに自分が患者さんにできることは何かを考え、看護とは何かを少しずつつかんできたようでした。看護学校は卒業ですが、これは新たな始まりでもあります。自分の夢に向かって進んでいく中で、学んだことを忘れず、常に誠実で、他者に対して思いやりのある人であり続けてください。