パンフレット

循環器内科

診療・各部門

診療内容

循環器内科外来

初診外来(平日の午前9時から11時30分)

受診日の担当医師が応対させていただきます(外来担当医をご参照ください)。
気になる症状や健診での検査所見や疾患(「取り扱う主な疾患」をご参照ください)で思い当たる方は一度当院に受診されることをお勧めいたします。
かかりつけや治療中の医療機関がございましたら、できるだけ紹介状や画像資料等をお持ちください。

また11時以降に集中して受診される方が多くお待たせしてしまう場合もございますので、できるだけ午前中の早い時間に余裕をもってお越しください。

再診外来(外来担当医表をご参照ください)

2回目以降の受診は再診外来となります。予約制で、診察時に医師が次回の予約をお取りします。または平日の14時から16時までの間に、代表電話03−3269−8111 内線2324にご連絡をいただく形でも予約が可能となっております。

循環器内科入院

労作性狭心症・異型狭心症の診断には心臓カテーテル検査で2-3日の入院が必要となります。胸の苦しみが続く心筋梗塞や、不安定狭心症のように胸の症状が悪化したり頻度が増えたり突然出現した場合には即入院が必要な危険の状態です。当院ではこのように心臓の冠動脈という心臓の筋肉を栄養する血管が詰まったり詰まりかかったりしている病態では、バルーンやステントを用いた経皮的冠動脈形成術や血栓吸引療法を併用して治療を行っております。

不整脈の症状は、脈が飛んだり抜けたり、脈が速くなってドキドキ(動悸)したりします。また、重症例では、めまいを起こしたり意識を失って倒れることがあります。健康診断などで自覚症状がなくても不整脈が見つかることもあります。そのまま放置してもよいのか、治療が必要なのか、原因を調べることが重要です。脈が遅い場合(徐脈性不整脈)には、24時間ホルター心電図や電気生理検査を行い、ペースメーカー植込み術(7日の入院)が、その程度により必要となります。また、脈が速くなる場合(頻脈性不整脈)には、まず薬物療法を行い、効果が少なく発作を繰り返す場合は、細い管(カテーテル)を用いて不整脈を根治させる高周波カテーテルアブレーション(3-4日の入院)という治療を行います。
心筋梗塞、心筋症などの重症心疾患に伴い命に関わる不整脈が起こる場合には、電気ショックで不整脈を元に戻してくれる器械(埋込み型除細動器; ICD)が必要かを、電気生理検査などで判断します。また、悪くなった心臓のポンプ機能を改善させる器械(両心室ペースメーカー; CRT)の必要性についても判断し、提携先病院と協力して植え込み手術を行っています。

その他の疾患については「取り扱う主な疾患」をご参照ください。

メッセージ

急性心筋梗塞・狭心症、急性・慢性心不全の増悪、不整脈疾患などの緊急を要する疾患におきましては即時に対応させていただきます(日本循環器学会指定循環器研修施設・東京都CCU連絡協議会加盟施設認定)。

日頃仕事が忙しい方でも入院せずに画像診断を短期間で可能にするために、冠動脈CT・心臓MRIを含めた画像診断を早期に行える協力体制も整備されてまいりました。

これからも皆様への良質な医療のご提供と、高齢化社会に適応し地域医療に携わり貢献できますように努力いたします。

循環器内科

日本心血管インターベンション治療学会(CVIT)施行の症例登録システムについては、こちら(クリックで開きます)。

取り扱う疾患

高血圧 虚血性心疾患(狭心症 心筋梗塞) 心不全 不整脈 心臓弁膜症 心筋症(拡張型心筋症、肥大型心筋症、拘束型心筋症) 先天性心疾患 高脂血症 心筋炎 心サルコイドーシス 心アミロイドーシス 胸部大動脈瘤 腹部大動脈瘤 下肢閉塞性動脈硬化症 静脈瘤 静脈炎 大動脈炎 深部静脈血栓症 肺塞栓症 透析シャント狭窄 睡眠時無呼吸症候群 肺高血圧症 など

虚血性心疾患

虚血性心疾患は、冠状動脈(心臓に酸素や栄養を供給する血管)の狭窄または閉塞により、心臓の血流が不十分になり、心臓筋に酸素不足が起こる疾患です。

虚血性心疾患には、以下のような病気が含まれます。
狭心症:冠動脈の一時的な狭窄によって、心臓筋に酸素不足が起こり、胸部の痛みや不快感、圧迫感などを引き起こします。
不安定狭心症:冠状動脈の狭窄が急速に進行し、心筋梗塞の手前の状態です。胸部の痛みや不快感、息切れ、吐き気などの症状が現れます。
心筋梗塞:冠動脈の閉塞によって、心臓筋の一部が酸素不足で壊死する病気です。胸部の激しい痛み、息切れ、吐き気、嘔吐などの症状が現れます。
心筋梗塞の場合は、一刻も早く血流を再開させることが重要です。
当院では東京CCUネットワークに加盟しており24時間365日、心筋梗塞のカテーテル治療を行える体制をとっています。

歩行で胸の痛みだけでなく、息があがる、顎の痛み、肩や背中の痛みが出ることもあります。
また夜間の胸部症状の場合、冠攣縮狭心症(冠動脈の痙攣によって引き起こされる狭心症)や血管内皮障害が原因のことがあります。
虚血性心疾患の主な原因は、動脈硬化です。高脂血症、高血圧、糖尿病、喫煙、肥満などの生活習慣病や、遺伝的要因、ストレスなどがリスクとなります。
上記症状がある場合は、症状の原因疾患を調べるだけでなく、ベースにある生活習慣病を発見してその管理を行うことが大切になります。

虚血性心疾患の治療には、薬物療法、血管拡張手術、冠状動脈バイパス移植手術などがあります。また、生活習慣の改善や定期的な検診・治療が重要です。

【心臓カテーテル検査・治療について】
虚血性心疾患を治療するために使用される方法の一つです。血管を通じて心臓に細い管(カテーテル)を挿入し、内部から治療を行う方法です。

心臓カテーテル検査:心臓の内部を観察するためにカテーテルを使用し、心臓の機能や血流を評価します。冠動脈造影や心室造影などの検査も行われます。

心臓カテーテル治療:カテーテルを用いて、狭窄部位、閉塞部位の治療を行います。冠動脈の狭窄部位にワイヤーを通過させバルーン拡張を行い、ステントを挿入します。近年では薬物溶出性バルーンで拡張することで、ステント留置をせずに拡張、再狭窄を予防ができる病変もあります。

心臓カテーテル治療は、開胸手術に比べて手術規模が小さく、切開が少ないため、術後の回復が速いという利点があります。しかし、血管を通じて心臓にカテーテルを挿入するため、リスクが伴う場合もあります。また、必ずしもすべての心臓病に適用できるわけではなく、患者の状態や病状に応じて適切な治療法を選択する必要があります。

当院では原則2泊3日でカテーテル検査および治療入院を行っています。9割以上の方がより侵襲の小さい手首の血管(橈骨動脈)からカテーテル検査・治療を行っています。

下肢閉塞性動脈硬化症

下肢の動脈の狭窄または閉塞により、下肢の血流が不十分になり、下肢筋に酸素不足が起こる疾患です。狭窄が進行すると、患部に十分な酸素や栄養素が届かなくなり、歩行時の痛みやしびれなどの症状が現れることがあります。

治療:
生活習慣の改善:健康的な食生活や運動習慣の改善、禁煙などの生活習慣の改善にむけて、指導が行われます。
薬物療法:血管拡張薬、抗血小板剤、コレステロール降下薬などの薬物治療が重要です。
血管内治療:血管内治療には、カテ―テル治療としてバルーン拡張術やステント留置術があります。これらの治療は、血管内からカテーテルを挿入し、狭窄部位を拡張して血流を改善する方法です。
以上の治療を組み合わせて、当院では下肢閉塞性動脈硬化症の治療を行っています。
外科的治療:外科的治療には、血管バイパス術や血管移植術があります。これらの治療は、患部を迂回する新しい血管を作ることで、血流を回復させる方法です。
閉塞性動脈硬化症は、早期の発見と治療が重要です。定期的な健康診断や、健康的な生活の維持が予防につながります。
当院では、糖尿病内科、透析科、皮膚科や整形外科と協力して、足潰瘍(壊疽)の治療にも取り組んでいます。

透析シャント狭窄

透析患者さんのブラッドアクセスとしてのシャントはたびたび狭窄を起こします。狭窄したシャントの血管内治療(カテーテル治療)も当科で行っています。

不整脈

当院では、不整脈に関する診断や治療を行っております。不整脈は心臓のリズムが正常でなくなる状態であり、心拍数の異常や心臓の動きの乱れを引き起こすことがあります。
不整脈は、脈がとぶ、乱れる、等の症状から、違和感や痛みとして自覚することもあります。種類は頻脈性(心拍数が速い)、徐脈性(心拍数が遅い)などがあり、不整脈の種類によって治療が必要なものと必要ないものがあります。不整脈が持続する場合や症状が重くなる場合は、早急な診断と治療が必要とされます。

不整脈の原因に応じて、薬物療法やカテーテルアブレーション(不整脈の源を焼灼する方法)などの治療法を選択し、患者さん一人ひとりに最適な治療を提供しております。

【ペースメーカーについて】
ペースメーカーは、心臓のリズムを調整するために用いられる機器の一つです。心臓のリズムが不規則になったり、遅くなったりする場合に、ペースメーカーが必要とされることがあります。
ペースメーカーは、心臓の働きを補助する小さな電子装置であり、体内に埋め込まれます。手術では、胸部に小さな切開を行い、電池は胸部皮下に、リード線は心内に配置します。
ペースメーカーは、心拍数が低下した場合に電気信号を発信し、心臓を正常なリズムに近づける役割を果たします。また、心臓の異常なリズムを監視し、必要に応じて刺激を送ることで、正常な心拍数を維持することも可能です。

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提供:日本メドトロニック社

【リードレスペースメーカーについて】
リードレスペースメーカーは体内に植え込まれる小さな装置であり、心臓内にカテーテルを通して留置されます。通常のペースメーカーでは、心臓に電極を接続するためにリードと呼ばれる細いワイヤーが使用されますが、リードレスペースメーカーでは、ワイヤーが不要となります。リードレスペースメーカーの主な利点は、ワイヤーが不要であるため感染やリードの破損などに関連するリスクが低くなることです。また、手術の際の切開が小さくて済み、回復期間も短い場合があります。さらに、患者の生活においては、リードの存在がないために装置が目立たず、日常生活への影響が最小限に抑えられることも特徴です。
リードレスペースメーカーは、全ての患者さんに適用可能なわけではありませんので、利用を検討する場合は、医師との相談と適切な検査が必要です。

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提供:日本メドトロニック社

【植え込み型心電計について】
植え込み型心電計(Implantable Cardiac Monitor)は、心臓の電気信号をモニタリングするために使用される医療機器です。不整脈や失神の原因を特定するために体内に埋め込まれます。
従来のホルター心電図モニタリングと比べて長期間にわたって使用でき、より詳細なデータを得ることができます。装置が記録した心電データを解析し、不整脈やリズム障害の特徴を評価し、症状の原因の特定が可能になり、適切な治療につなげることができます。
植え込み型心電計は親指の先程度の小さな装置であり、胸部に留置します。最高約3年間、心臓のリズムを連続的に監視することができます。不要となれば体外に取り出します。

【カテーテルアブレーションについて】
カテーテルアブレーションは、不整脈の治療法の一つであり、心臓のリズム障害を改善するために行われます。この治療法では、カテーテルを血管を通じて心臓に導入し、異常な電気信号を発する部位を特定して焼灼または凍結することで、正常なリズムを回復させます。

診療実績

疾患別患者数 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
CAG 188 301 268 276 315
PCI 100 89 72 102 87
内、緊急PCI 31 44 37 39 41
EPS 15 4 4 7 13
EVT 12 4 19 13 23
FFR iFR 14 31 26 38 28
ペースメーカー新規 17 17 15 9 11
ペースメーカー交換 2 1 2 5 13
Ablation 32 14 9 8 17
冠攣縮誘発試験 20 16 24 30 14
心筋生検 12 14 15 5  4
2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
心電図 16359 16357 13685 15493 14315
ホルター心電図 557 575 443 413 352
心電超音波検査 3068 2877 2417 2705 2699
頸動脈超音波検査 593 613 528 491 526
下肢動脈超音波検査 60 57 50 46 60
下肢静脈超音波検査 418 438 373 419 512
シャント超音波検査 64 69  54  49 50
心臓CT 254 264  221  216 330
心臓MRI 3 30  10  30 6
心筋シンチグラム 66 93 91 64 90

スタッフ紹介

医師名・役職 卒業年・
卒業大学
専門医等 専門分野・その他

さいとう てつや
齊藤 哲也
部長

1997(H9)年
東京大学卒
日本内科学会認定総合医
日本循環器学会循環器専門医
日本心血管インターベンション治療学会認定医
元宮内庁侍従職侍医
一般社団法人日本病院会2022年度第1回臨床研修指導医講習会 修了
内科
循環器
カテーテルインターベンション
やち せん
谷地 繊
医長
2003(H15)年
日本医科大学卒
日本内科学会総合内科専門医・指導医
日本循環器学会循環器専門医
日本心血管インターベンション治療学会認定医
浅大腿大動ステントグラフト実施医
日本脈管学会専門医
日本スポーツ協会公認スポーツドクター
内科
循環器
冠動脈インターベンション
末梢血管インターベンション
透析シャント治療
ならさき ひろし
楢崎 容史
医長
2004(H16)年
岡山大学卒
日本内科学会総合内科専門医
日本循環器学会循環器専門医
日本周術期経食道心エコー(JB-POT)認定医
日本プライマリ・ケア連合学会認定医・指導医
内科
循環器
さとう ひろのり
佐藤 弘典
医長
2007(H19)年
北海道大学卒
 内科
循環器
しもじ ゆか
下地 由華
医師
2019(R1)年
琉球大学卒
内科
循環器
かみにし まさゆき
上西 将之
医師
2019(R1)年
島根大学卒
内科
循環器
さかもと ともや
坂本 知也
医師
2020(R2)年
日本医科大学卒
内科
循環器
あやべ せいじ
綾部 征司
非常勤医師
1992(H4)年
東京大学卒
日本内科学会総合内科専門医
日本循環器学会循環器専門医
内科
循環器
カテーテルインターベンション
かわい あきひこ
川合 明彦
非常勤医師
1983(S58)年
北海道大学卒
日本外科学会外科指導医
日本心臓血管外科学会心臓血管外科専門医
循環器
心臓血管外科
たけたに つよし
竹谷 剛
非常勤医師
1996(H8)年
東京大学卒
日本心臓血管外科学会心臓血管外科専門医
日本循環器学会循環器専門医
日本外科学会外科専門医
日本脈管学会専門医
日本移植学会認定医
大動脈疾患
心臓外科全般

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外来担当医

午前

谷地 繊
下地由華
上西将之(他科)

齊藤哲也
楢﨑容史
坂本知也(他科)
齊藤哲也
谷地 繊 (初診・他科)
綾部征司
楢﨑容史
坂本知也
佐藤弘典
谷地 繊
楢崎容史
下地由華(他科)
午後  川合明彦
(第2,4)
(含他科)
谷地 繊
腫瘍循環器
竹谷剛
(第3)
◎心臓血管外科 外来

予約制です

予約がなくても、紹介状をお持ちの患者さんは毎日受け付けております。

電話予約:TEL 03-3269-8180(外来予約センター)

予約時間:平日8:30~17:00

2024/4/5更新

特殊外来