パンフレット

骨粗鬆症センター

診療・各部門

骨粗鬆症センター

骨粗鬆症の予防と治療を重点的に行うことを目的に、2021年4月に骨粗鬆症センターを設立いたしました。
当センターでは原発性骨粗鬆症だけではなく、様々な代謝性骨疾患に対しても、専門的な治療を行うことを目的としており、整形外科・脊椎脊髄外科・内科・歯科口腔外科・リハビリテーション科など多部門と連携した高度な診療を提供しています。

対象疾患と検査・治療

あらゆる代謝性骨疾患に対する治療を行っております。これまで治療を行った疾患は以下の通りです。

画像検査や血液検査だけではなく、既往歴や家族歴、食事や運動などの生活習慣に基づいた病状の評価を行い、治療をご提案しています。

対象疾患

  1. 原発性骨粗鬆症
  2. 続発性骨粗鬆症
    内分泌性:副甲状腺機能亢進症、クッシング症候群、甲状腺機能亢進症
    栄養性 :胃切除後、吸収不良症候群
    薬剤性 :ステロイド
    不動性 :全身性(仰臥位安静、対麻痺、廃用症候群)局所性(骨折後など)
    その他 :糖尿病、COPD、関節リウマチ等
家族

基本検査

  1. 骨密度測定(DXA)
    腰椎と大腿骨頸部での評価
  2. 脊椎Xp
    無症候性を含めて脊椎骨折の有無を確認
  3. 採血・尿検査
    骨代謝マーカーやCa・P・ALP等による骨代謝状態
    ビタミンD充足度
    甲状腺・副甲状腺ホルモンなどの内分泌機能
注射器イメージ

治療

骨代謝状態、基礎疾患、骨折リスクなどに応じた治療方法を提案いたします。

治療イメージ

ご紹介・ご相談いただきたい患者様

~連携医療機関の先生方へ~

【診断】

  • 閉経後のスクリーニング
  • 無症候性を含む脊椎骨折の確認
  • 骨折リスクが高まる疾患に対する精査
     糖尿病、COPD、関節リウマチ、ステロイド使用中 など
骨イメージ

【治療】

  • 骨密度改善が得られない場合の対応
  • 骨形成促進薬の導入判断(特に骨折歴がある場合)
  • 腎機能低下例での薬剤選択
  • 投薬終了や休薬の判断

地域連携

地域連携を重視した診療に取組んでいます

地域連携イメージ
  • ご紹介頂いた患者様に対して、検査結果に応じた骨粗鬆症薬をご提案するとともに、運動療法や食生活をはじめとした生活上の注意点などもご説明いたします。
  • その後は、原則としてかかりつけの先生方に治療を行っていただき、必要に応じて紹介・逆紹介により再検査や投薬内容の見直しを行っていきたいと考えております。

~患者さまへ~

骨粗鬆症センターでは皆様が長い人生を健やかに生活できるように、骨粗鬆症の予防と治療に取組んでおります。是非ご相談ください。

【予防と治療の重要性】

日本人の寿命は延び続けていますが、自立した生活を送ることができる期間「健康寿命」は平均寿命よりも男性では約9年、女性では約12年も短いことが明らかとなっています(図1)。厚生労働省による国民生活基礎調査によると、要支援・要介護に至る原因のうち、およそ4分の1が骨折・転倒を含めた運動器障害でした(図2)。このことから運動器の健康、特に骨折の予防は健康寿命の延伸に重要といえます。
また、骨粗鬆症による骨折が一度でも生じると、その後に次々と骨折が起こりやすくなり、腰(腰椎)や太もものつけね(大腿骨近位部)の骨折を生じた場合には死亡リスクも高くなります。
したがって骨粗鬆症の治療を行い、骨折の危険性を少なくすることは非常に大切です。

図1図2

【原因と診断】

骨粗鬆症とは、骨強度(骨の強さ)が低下して、骨折しやすい状態になることです。古くなった骨を壊して新しい骨を作るという、骨代謝のバランスが崩れると骨は弱くなります。原因として、女性では閉経による女性ホルモンの低下がよく知られていますが、男性でも加齢とともに骨密度は低下します(図3)。また、糖尿病や慢性腎臓病などの生活習慣病や内分泌疾患、ステロイドの使用も骨粗鬆症が進行する原因となります。いずれにしても、20歳までのどれだけ骨の量を増やすことができたかと、50歳以降にどれだけ骨を減らさないかが骨粗鬆症を予防するポイントになります。
骨粗鬆症の診断は骨密度検査と脊椎レントゲン検査によって行います。骨密度は腰椎と大腿骨近位部で測定することが望ましいです。また、脊椎は知らず知らずに骨折を起こしていることが多いのですが、一つでも見つかった場合は骨密度検査の結果にかかわらず、骨粗鬆症と診断されます。

図3

【治療】

骨粗鬆症の治療では、運動と食事、そして薬物治療の3つが重要です(図4)。運動療法の目的は骨密度を維持・上昇させること、筋力とバランス能力の維持・向上により転倒を予防することです。
食事では、特にカルシウムとビタミンDの摂取が重要です。カルシウムは50歳以降の男性では約750mg、女性では650mgの一日摂取量が推奨されます。ビタミンDは食事からの摂取のほかに、紫外線によって体内でも作られていますが、多くの高齢者に不足しています。血液検査によって充足度の評価が可能であり、不足している場合は骨粗鬆症の治療薬としてビタミンD製剤を補充することになります。
薬物治療についてですが、現在は様々な種類の薬が、内服薬や注射薬として使用されています。骨密度や骨折の有無、血液検査の結果を総合的に判断し、患者様あるいはご家族と相談して最善の治療薬を選択することが重要です。

図4

受診方法

外来は完全予約制です。診療情報提供書をご用意の上、下記外来予約センターにお問い合わせください。

電話 03-3269-8180(受付 平日8:30~17:00)

 
骨粗鬆症センター 13:00〜      

センター長の紹介

正田 修己
正田 修己
(しょうだ なおき)

専門領域
整形外科・脊椎脊髄外科
骨粗鬆症
リハビリテーション医学
資格
日本専門医機構認定
 整形外科専門医
日本リハビリテーション学会認定
 リハビリテーション科専門医
略歴
1998年 産業医科大学医学部卒業
1998年 東京労災病院
2000年 東京大学医学部附属病院
2001年 都立広尾病院
2002年 東京都老人医療センター
    (現 東京都健康長寿医療センター)
2004年 横浜労災病院
2007年 東京大学医学部付属病院
2008年 ワシントン大学(セントルイス)
2009年 国立国際医療研究センター 第二整形外科医長
2019年 JCHO 東京新宿メディカルセンター
    脊椎脊髄外科部長
2021年 JCHO 東京新宿メディカルセンター
    骨粗鬆症センター長/リハビリテーション科部長

スタッフ紹介

脊椎脊髄外科医師: 小野 貴司
整形外科医師: 廣瀬 旬
腎臓内科医師: 大瀬 貴元
膠原病内科医師: 菊地 英豪
糖尿病内分泌科医師: 神田 周平
歯科口腔外科医師: 外来担当医
リハビリテーション科医師: 正田 修己
薬剤部、看護部、栄養科、リハビリテーション部