パンフレット

教育

診療・各部門

看護部の教育方針

1.看護部の教育理念

専門職業人として自立し、柔軟で豊かな発想のもと主体性・創造性のある質の高い看護を提供できる看護師を育成する。また、看護師一人ひとりの成長を信じ、その過程を支援する。

2.看護部の教育方針

特定の分野・領域にとらわれず、あらゆる対象に対して、従事した領域で、直接、質の高い看護サービスを提供することを志向し、その場に応じた知識・技術・能力を発揮するとともに、他者とより良い人間関係を築き、個別性を踏まえ看護過程を展開できるジェネラリストを育成する。
看護部は個々の学習ニーズと目標を尊重し、認定看護師や専門看護師などさらにキャリアアップを目指すものに対して、教育環境を提供し、自己実現に向け支援する。

3.看護師教育目的

1)専門職として高い倫理観を持ち看護実践できる看護師を育成する。。
2)専門知識と技術を基盤とした主体性・創造性のある看護を提供できる看護師を育成する。
3)研究的な態度で看護実践に臨み、最新の知見に基づいたケアを提供できる看護師を育成する。
4)看護を取り巻く社会情勢に柔軟に対応でき、多職種と協働し成果を上げることができる看護師を育成する。
5)医療チームの中で良い人間関係を築くことができ、臨床実践の役割モデルとなれる看護師を育成する。

4.目指す看護師像

1)人間の尊厳・権利を尊重し、意思決定を支援することができる。
2)患者・家族に寄り添い、意思を尊重した看護を展開できる。
3)専門的知識、技術、態度を身に付けるとともに、社会の変化に柔軟に対応できるよう自己研鑽できる。
4)医療チームの一員として自分の役割を認識し、義務と責任をはたすとともに、お互いを思いやり、よい人間関係を築くことができる。
5)地域住民のニーズや生活をよく知るため、保健活動に積極的に関わることができる。
6)実践活動において、効率性、経済性を考慮し多職種と協働し業務改善にチャレンジできる。
7)実施した看護に対して常に評価を行うとともに、研究の成果を活用した看護を実践できる。
8)東京新宿メディカルセンターの看護職員としての誇りを持ち、自らの心身の健康保持・増進に努めるとともに、豊かな人間性、社会性が身につけている。

5.看護師のキャリア開発

人は自ら成長意欲を持っており、自己の満足と他からの支持がさらに意欲を向上させる。また看護師は、患者関係や職業を通じて成長するものである。
キャリア開発とは、この考え方を基本に個々が組織の目標を踏まえ、自己の能力、目標、ライフサイクルに応じて、臨床実践能力の向 上に自ら取り組むことである。
●当院のキャリアラダーについて
(学習の手引き参照)

6.看護部の教育プログラム

(学習の手引き参照)

7.新採用看護職員の教育

1)新人看護師の教育
新人看護師が、基礎教育で学んだことを土台に臨床実践能力を高めていくことを支援する。臨  床現場でひとり立ちできるまでの教育は重要であり、当院はそれを踏まえ、卒後2年間の臨床研修プログラムを作成した。
このプログラムでは、看護師としての第一歩を踏み出した新人看護師が、臨床現場で必要とされる基本的な看護技術、基本的姿勢と態度、管理的能力を習得するとともに、専門職業人として生涯にわたり、自己研鑽することをめざしている。その際、専門職業人としての第一歩を踏み出した新人看護師のリアリティショックが最小限となり、職場への適応を促し、自信をもって新しい役割を担えるようプリセプターシップを導入している。
2)当院の新人教育のすすめ方
(1)当院が作成した2年間の卒後臨床研修プログラムを基に看護師初期研修を行う。
(2)配属後は部署のプログラムに添って教育を行う。技術教育はスタッフ全員で行うが、技術習得に向け、可能な限り教育担当者とペアで行動する。
(3)卒後臨床研修1年目では基本的な技術の習得と様々な看護を経験するという目的で、3週間の他部署研修を行う。
(4)卒後臨床研修2年目では、専門分野の看護を経験するために、緩和ケア、訪問看護ステーション、ICU、救急外来のいずれかの部署を選択して研修を行う。
(5)周手術期の看護に携わる看護師の育成
・手術室の看護師は、一貫した看護を提供するために外科系病棟で1年間研修をする。
・外科系病棟の看護師は、希望すれば4月から手術室で研修が行える。
3)看護部の現場教育(OJT)の目標
1、日常の看護業務に必要な基礎的知識・技術を、指導を受けながら実践できる。
2、指導を受けながら組織における役割や安全、経済などに関する理解をし、基本的な業務が実践できる。
3、社会人、専門職業人として基本的態について理解し、自覚を持った行動ができる。
4、自己の振り返りができ、指導を受けながら課題を明確にすることができる。
*習得すべき看護技術は、厚生労働省 新人看護職員研修ガイドラインに沿って技術を習得する。
*病棟指導者は看護技術習得のチェックポイントを活用し、新人の技術習得に向けての支援を行う。
*技術習得のチェックリストにて6ヶ月ごとに到達度を自己評価し、看護師長の点検の上で提出する。技術の項目によって習得が困難な看護単位は、技術習得のための他部署実習につなげる。
*看護師長は、チェックリストの評価を元に、研修の必要性を検討し、研修場所と期間、研修目的を明確にして、教育委員会へ申し込む。他部署研修計画表に基づき勤務計画を行う。
4)教育の実際
(1)卒後教育のラダーレベル1・2の到達目標
①卒後1年目(若葉ナース)
• 組織的役割遂行能力:JCHO及び東京新宿メディカルセンターの理念と使命を理解し、組織の一員としての自覚を持って行動する。
• 看護の核となる実践能力:基本的な看護手順に従い必要に応じ助言を得て看護を実践する。
• 自己教育・研究能力:自己の課題を指導によって発見し、自主的な活動に取り組むことができる。
②卒後2年目
• 組織的役割遂行能力:組織の一員としての役割を理解し、所属部署の目標を意識して行動する。
• 看護の核となる実践能力:標準的な看護計画に基づき自立して看護を実践する
• 自己教育・研究能力:自己の課題を明確化し、達成に向けた学習活動を展開することができる。

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(2)卒後1年目の研修方法と内容
①所属配置:4月1日
②集合教育(必須研修)※一部eラーニング形式
スタンダードプリコーション、電子カルテ、看護必要度、安全技術演習1、感染管理1.スキンケア・安全管理1、褥瘡管理1、安全管理1、看護倫理Ⅰ、救急蘇生法、セルフケア看護、看護研究1、文献検索、看護概念1(評価対象)
③他部署経験と技術習得他部署研修
他部署を経験することと技術習得を目的として、7月より外科系病棟に配属された新人は内科系病棟に、内科系病棟に配属された新人は外科系病棟に、3週間移動し、研修をする。
④ラダーレベルの認定
必須研修と他部署経験と技術習得他部署研修を終了し、ラダーレベルの目標が達成という評価を受けたら、若葉ナースからラダーレベルⅠが認定される。ラダーレベルⅠが認定を以って、ラダーレベルⅡへチャレンジができる。
(3)卒後2年目の研修方法と内容
①集合教育(必須研修)※一部eラーニング形式
安全管理2、感染管理2、褥瘡管理2、看護過程初級、看護倫理Ⅱ、看護概念2(評価対象)
②他部署経験と技術習得他部署研修
ジェネラリストの育成のため、他部署を経験することを目的として、緩和ケア病棟、訪問看護ステーション、救急外来、ICUで一定期間研修をする。
③ラダーレベルの認定
必須研修と他部署経験と技術習得他部署研修を終了し、ラダーレベルの目標が達成という評価を受けたら、ラダーレベルⅡが認定される。ラダーレベルⅡの認定を以って、ラダーレベルⅢへチャレンジができる。
(4)プリセプターシップ
プリセプターシップとは、新人看護師のオリエンテーションを効果的に行い、看護師としての適応を促す方法で、一人の新人看護師に一人の看護師がつき、一定期間マンツーマンで教育を行う教育指導である。
<当院の目的>
1. 新人を臨床看護師への役割へスムーズに移行させる。
2. リアリティショックを最小限にし、職場環境に適応できるようにする。
<プリセプター看護師の条件>
① 卒後経験3年以上(ラダーⅡの修了者)の看護師である。
② 臨床の実践能力と知識をもっている。
③ 後輩の教育指導に熱意を持ち積極的である。
④ 院内継続教育の「プリセプターシップ」の研修を受講したもの(毎年3月予定)
<役割と機能>
プリセプターは、役割機能を通して、新人の役割葛藤からくる自信喪失を防ぎ、フラストレーションを解消させるように働きかけ、新人看護師が専門職として自立するのを助ける。
① 看護者として職場での基本的な姿勢・態度が身につくように援助する。
② チームメンバーとしての自覚をもち、職場環境に適応できるよう援助する。
③ プリセプター自身も自己を高められるよう努力する。
<方 法>
① 原則として6~10ヶ月間の受け持ち制とする。
② 可能な限り3ヶ月間は勤務帯を同じにして話ができる機会を多く持てるようにする。
③ プリセプター自身の悩みや問題解決困難になった場合は、早期に師長、主任に相談する。
④ 師長、主任は、プリセプター・プリセプティの評価を5月、9月に評価基準に沿って行う。評価を基にプリセプターと話し合い、次のステップとする。
5)中途採用看護師の教育
中途採用看護師の多くは当院の継続教育プログラムに関心を持ち、新たな職場でさらなるキャリアアップを目標に入職してくる。さまざまな臨床経験を持つ中途採用看護師の実践能力を生かすことにより、当院のケアの質の向上や業務改善の推進が期待できる。そのためにも早期に当院の組織風土やシステムに慣れ、今まで培ってきた能力を発揮できるよう支援することが必要となる。また、キャリア形成のニーズに応えるために、院内外の研修についての情報提供や受講の機会を保障する必要がある。
中途採用看護師のよき相談相手であり、精神面の支援を行う役割としてメンターシップを導入している。
(1)中途採用者オリエンテーション
<目的>
1.病院、看護部、自部署の組織・機能を知り、早期に職場に慣れる。
2.看護業務、多職種と協働している業務内容を理解できる。
<目標>
① 病院組織、また病院組織における看護部の位置づけを理解する。
② 看護部の組織、各委員会活動について理解し協力できる。
③ 院内で作成した各ガイドライン、マニュアルを活用し、多職種と協働できる。
④看護基準・看護手順を活用し、根拠に基づいた看護を対象に提供することができる。
(2)メンターシップ
当院におけるメンターシップとは、既卒採用者の経験を踏まえた上で、当院看護師としての適応を促す為に、一定期間担当者を決めて精神面の支援を行う体制である。メンターとは既卒採用者のキャリア発達を導いたり、良い意味の影響を与えたり、より積極的に支援したりし、精神面の支援を行う役割を担い、一緒に向上していく人である。
<目的>
1.中途採用者が当院の看護を理解し、適応できると共に、当院で期待される職務遂行能力を発揮出来るよう、精神面の支援をする。
2.中途採用者の経験、特徴を理解した指導・支援を行うことで、当院看護師として、新しい役割を発揮し、それを継続出来るように支援する。
<メンター看護師の条件>
① ラダーレベルⅢ以上の看護師:臨床経験4年目以上で当院勤務経験1年以上。
③ 看護部の組織・機能について理解し、ガイドライン、マニュアルにそった説明ができる。
④ 中途採用者の教育指導に熱意をもち、積極的である。
⑤ 院内継続教育の「メンターシップ」の研修を受講したもの
<役割と機能>
メンターは役割機能を通して、中途採用者が抱く、当院の組織風土やシステムに不慣れなことから生じるフラストレーションを解消させるよう働きかけ、精神的に安定した状態を維持しながら、当院看護師として自信を持って新しい役割を発揮出来るように支援する。
① これまでの経験や特徴を理解した支持的な接し方をすることにより、相談・助言などを通し、精神的な支えとなる。
② 当院看護師としての自覚を持ち、職場環境に適応できるよう援助する。
③ さらなるキャリアアップのために、より積極的に支援する。
④ メンター自身も自己を高められるよう努力する。
<方 法>
① 原則として3~6ヶ月間の受け持ち制とする。各個人の状況により期間を決める。
② 可能な限り2週間は勤務帯を同じにして話ができる機会を多くもてるようにする。
③ メンター自身の悩みや問題解決困難になった場合は、早期に師長、主任に相談する。
④ 師長・主任はメンターシップ終了時目標の達成度について、メンター・中途採用者との面接で評価する。

8.特定領域のスペシャリストを育成する教育

特定の分野における高度な看護実践能力の開発、維持、向上は重要なものであり、これらの教育課程に進む希望者を支援している。また、当院は2016年2月に、特定行為研修指定研修機関に認定され、特定行為を行う看護師の教育を行っている。クリニカルラダーレベルⅣ以上の看護師で、原則的に JCHO病院等の勤務経験を5年以上有し、研修終了後はその成果を職場に還元できる看護師を推薦している。研修期間は身分を保証しており、受講費の補助がある。