パンフレット

放射線治療科

診療・各部門

JCHO東京新宿メディカルセンターで提供する放射線治療について

私たちJCHO東京新宿メディカルセンターの放射線治療室では、『私たち(医療従事者)自身も受けたいと思えるような品質の医療を提供する』ことを達成目標として、日々の治療に取り組んでおります。具体的な内容を、以下の説明項目に従って順次ご説明いたします。

  1. 提供する放射線治療の質に関して
  2. 患者様のライフスタイルに合わせた治療の実現を目指して
  3. 放射線治療室への予約、アクセス方法、その他ご質問窓口

1. 提供する放射線治療の質に関して

1-A. 放射線治療を担当している医師紹介

放射線治療の質は、担当している医師の医学的知識・経験・倫理に基づいております。当院では、患者様に質の高い治療を受けていただけるよう、東京大学附属病院放射線科放射線治療部門、山下秀臣准教授のご指導の下、同門である森島康介医師を中心に、東京大学附属病院とほぼ同様の治療基準の放射線治療を提供いたします。

森島先生

森島先生

・履歴
2018年 東京大学卒
2026年 東京大学大学院卒

・主な認定資格
放射線治療専門医

放射線治療科医師の森島です。当センターでは、お仕事と治療が両立できるよう治療スケジュールの調整をするなど患者様のライフスタイルに合わせた治療を心がけています。受診してから治療開始までの待機時間も短く、また通院日数が少ない短期照射も積極的に行っています。電話でのご相談も受けております。どの病院で治療を受けるのがいいか迷われている方もお気軽にご連絡ください。
(相談窓口:03-3269-8111(代表)より放射線治療室へお電話ください。)

1-B. 当院で使用する放射線治療機器について

当院では、2026年8月10日より、最新式の放射線治療機器、Elekta社製Harmony (ハーモニー) と治療計画用CT、Canon社製Aquilion Exceed LB を導入いたしました。これらを導入することにより、複雑な形状のS腫瘍や正常臓器に近接した腫瘍に対しても、高精度に多くの放射線量を短時間に照射することが可能となりました。

Harmony

Harmony

Aquilion Exceed LB

Aquilion Exceed LB

具体的な放射線治療の手技としては、強度変調回転照射(Volumetric Modulated Arc Therapy : VMAT) という従来の強度変調放射線治療 (Intensity Modulated Radiation Therapy : IMRT) の発展した照射方法を積極的に適応しております。また、放射線治療直前の治療位置の確認方法として、最新式の治療位置合わせシステムとして Catalyst + HD による赤外線を用いた体表面マッチングや、呼吸性移動モニタリング、治療時同時撮影による照射位置確認を行うことで、治療位置精度が非常に高い治療が可能となりました。また、治療中にCT撮影を行うことで、腫瘍に放射線が正しく照射されていたことを確認することも可能となりました。

Catalyst+HD 写真・1

Catalyst+HD

Catalyst+HD 写真・2(呼吸同期)

Catalyst+HD(呼吸同期)

また、Elekta 社様より、Harmony に関する掲載用の動画を賜りましたため、掲載させていただきます。

1-C. 放射線治療の背景、メリットとデメリット

放射線治療は、手術、がん薬物療法と並ぶ主ながんの治療方法です。しかし、欧米ではがん患者の約 60~70%が放射線治療を受けるのに対し、日本では約 20~30%と少ない傾向にあります。その理由として

1. 日本人は胃癌の罹患率が高く、胃癌は手術による治療成績が良好であり、胃癌以外でも手術中心の考え方ががん治療全体に影響を与えてきた。
2. 原爆や原子力発電所の事故などによる放射線に対するマイナスイメージ

と言われています。ところが、最近では、日本においても放射線治療を受ける患者は増加傾向です。この理由として

1. がん対策基本法により放射線治療が促進されたこと
2. がんの性質や進行度等により複数の治療法を組み合わせて治療成績の向上を目指す集学的治療法が活発に行われるようになったこと
3. コンピュータの急速な発展により、放射線治療の照射技術が目覚ましく進歩し、治療成績が向上したこと

が挙げられております。

放射線治療のメリットは以下の事柄が挙げられます。

● 体の負担が少ない治療であるため、手術が困難な患者や高齢者にも適応できる。
● 1 回の治療時間が短いため、外来通院で治療可能である。
● 最近では、治療期間が 1 カ月以内の短期間で治療を終えることができるようになった。
● 仕事・育児など日常生活への影響を少なくすることができる。
● 照射技術の発展により、治療目的を達成しやすくなった。

放射線治療のデメリットは以下の事柄が挙げられます。

● がんの性質や進行度などにより治療期間が決まるため、必ずしも短期になるとは限らない。
● 放射線による障害(副作用)を減らすためには、高度な知識・技術が必要である。
● 複雑な放射線照射を可能にするためには、高性能な放射線治療装置とそれを管理・操作できる技術者が必要である。

当院では、放射線治療のメリットを最大化し、同時に放射線治療のデメリットを最小化できるように高性能な放射線治療装置の導入を行い、高度な知識・技術者を必要な人数確保し、また、知識・技術・管理・操作の全ての教育に力を入れております。

1-D. 放射線治療の具体例

当院で治療した患者様の具体的な治療例です。

Breast_SIB_138s の画像

左乳がんであり、腫瘍のあった部分に対して放射線量を追加した症例です。

1 回の治療にかかった時間
位置合わせ&位置確認 CT:約 5 分
治療時間:約 2 分
着替え:約 3 分
合計:約 10 分

全治療回数:16 回(4 週間)

従来の治療方法は追加照射を別途行いますので、16+4=20 回となっておりました。当院では、上の画像のように追加照射したい部分をあらかじめ線量を高く調整することで従来の追加照射と同様の効果を発揮しつつ、治療期間を短くすることができる同時統合ブースト法(Simultaneous Integrated Boost:SIB)を積極的に採用しております。

また 6 月より、ヨーロッパでは積極的に推奨されている照射方法である、5 回法という短期照射法も採用しております。ご興味がございましたら、相談窓口よりお問い合わせください。

SRT12-48Gy_164s の画像

右肺がん、体幹部定位放射線治療(Stereotactic Body Radiation Therapy:SBRT)を行った症例です。

1 回の治療にかかった時間
位置合わせ&位置確認 CT:約 7 分
治療時間:約 3 分
着替え:約 3 分
合計:約 13 分

全治療回数:4 回(4 日間)

体幹部定位放射線治療は以前から行われている照射方法ですが、従来の体幹部定位放射線治療では 1 回の治療に約 40~60 分ほどの時間がかかっていました。しかし、新型放射線治療機器を導入したことで、治療時間を大幅に短縮することが可能となりました。更に、治療前の位置合わせ、治療中のモニタリング、治療後の確認などの機能をフルに活用して、従来よりも圧倒的に安全かつ品質の高い医療を提供できるようになりました。

(機器についての説明は「1-B. 当院で使用する放射線治療機器について」をご覧ください)

8Gy_1fr. の画像

がんによる痛みを和らげることを目的とした症例です。

1 回の治療にかかった時間
位置合わせ&位置確認 CT:約 5 分
治療時間:約 3 分
着替え:約 5 分
合計:約 13 分

全治療回数:1 回(1 日)

当院のがんによる痛みを和らげる治療(緩和療法)は、初回診察から治療終了までの期間を最短 1 日で終えることが可能です。従って、現在入院中の患者様も、体調の優れない患者様も体への負担をかけずに治療することが可能です。具体的なスケジュール例は以下の通りです。

初回診察・治療計画 CT 撮影:約 1 時間
治療計画・検証作業:約 3 時間
治療時間:上記の通り
来院から治療終了までの時間:約 4 時間

また、以前は 1 度放射線治療を受けたら、同じ部位に 2 度目の治療は不可とされていましたが、最近では、場合によっては 2 度目の治療も可能となっております。ご興味がございましたならば、相談窓口までお問い合わせください。

2. 患者様のライフスタイルに合わせた治療の実現を目指して

2-A 当院における放射線治療の流れ

当院における放射線治療の流れについて概要図をお示ししました。こちらについて説明いたします。

1. 他院や院内の他診療科からの放射線治療依頼
放射線治療を受けるには、他院の医師(主治医)の紹介状(診療情報提供書)、又は、当院の他の医師からの放射線治療依頼が必要です。
2. 放射線治療科医師による治療方針の説明
放射線治療科医師により放射線治療の適応が認められた場合、放射線治療の目的・治療のリスク・治療回数(期間)・日々の治療時間などについて説明があります。
3. 放射線治療計画
放射線治療を行うための準備をします。放射線治療には専用の CT 画像が必要となりますので、必ず治療計画用の CT 撮影を行います。必要に応じて、MRI や飲食制限があります。
4. 放射線治療開始
治療方針通りのスケジュールで治療を行います。原則として平日は毎日決まった時間(予約時間)で行います。治療期間中に放射線治療科医師による診察、場合により治療計画の変更なども行います。
5. 放射線治療終了
放射線治療終了後は、主治医の元へお戻りになっていただきます。紹介した医師の依頼内容によっては、その後当院の他の診療科に行くこともあります。

2-B がん看護外来について

がん看護外来のページはこちらをご確認ください。

当院のがん看護外来については、以下のページをご覧ください。

2-C 患者様のライフスタイルに合わせた治療スケジュール

近年では、仕事や育児、家事と放射線治療を両立しながら日常生活をされる患者様が主流となりました。当放射線治療室では、患者様の日常生活への影響を軽減するために、治療の品質は保ちつつ治療予約時間や治療期間などを工夫することで、放射線治療の負担をできる限り抑えることに努めます。具体的な治療スケジュールは以下の通りです。

治療日 月~金までの平日(3 日を超える大型連休時は、連休中に治療日があります。)
初診から治療開始までの期間 約 2 日(放射線治療科医師との相談によって決まります。)
1 回の治療時間 約 15 分(照射方法や治療範囲によって多少増減します。)
治療予約可能時間 原則として 8:40 ~ 16:40(それ以外をご希望の方は相談窓口にてご相談ください)

2-D 入院しながら放射線治療をご希望の方へ

当院は総合病院であり、他科と綿密に連携しながら治療を行うことが可能となっております。従いまして、入院しながら放射線治療を行うことも可能です。

3. 放射線治療室への予約、アクセス方法、その他ご質問窓口

3-A 放射線治療の予約方法

上のフローチャートに従い、予約が行われます。当放射線治療室では、診療情報提供書が必須です。診療情報提供書をご用意の上、患者サポートセンターにご連絡ください。尚、診療をスムーズに行うため、当院から診療情報提供書を作成した病院等に連絡し、診療情報を事前に取得させていただきます。

3-B 当院へのアクセス方法

当院へのアクセス方法はこちらをご覧ください。

3-C その他相談窓口

予約に関するご相談
患者サポートセンター:03-3269-8115
放射線治療の適応の有無に関する相談
セカンドオピニオン外来をご利用ください。
放射線治療に関するその他の相談
03-3269-8111(代表)より、放射線治療室へご相談ください。